日銀が量的・質的緩和とイールドカーブ・コントロール(YCC)を堅持していることから、米ドル/円価格は今月の最高値(136.56円)に向けて値上がりしている。さらに今後の連邦準備理事会(FRB)の金利決定では25bpの追加の利上げが見込まれており、これが価格の維持につながる可能性がある。
日銀が「辛抱強く金融緩和を継続する」計画を打ち出していることから、米ドル/円は週明けからより安値圏での高値と安値をつけており、日米の金融政策の道筋が分かれる中、為替レートは50日間移動平均(133.81円)の正の傾斜を後追いする可能性がある。
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連邦公開市場委員会(FOMC)は5月3日にフェデラル・ファンド金利を新たに5.00%~5.25%の水準まで引き上げると見込まれており、第1四半期の国内総生産(GDP)報告の最新値がインフレの継続を示す中、中央銀行がさらに引き締め政策を進めるかどうかは今後の判断が注目される。
結果としてFOMCがさらなる利上げの可能性を否定しなければ、5月には米ドル/円に有利に作用する可能性があるものの、政策の方向転換が迫っているという見方がある中、ハト派的な利上げになればドルにとって逆風となる可能性がある。
出典:CME
CMEのFedWatchツールは依然として2024年に向けた米金利低下への思惑を反映しており、市場参加者は今年最後の金利決定の時点でフェデラル・ファンド金利が4.50~4.75%になる確率を70%より高いと見ている。
一方、ジェローム・パウエル議長とその仲間たちが「ある程度の追加的な引き締め政策が適切であるかもしれない」と表明していることから、金融政策のフォワードガイダンスに変更があれば、FRBの政策のUターンに向けた期待が高まる可能性がある。FOMCが年内に利上げサイクルを逆転させ利下げを始める意向を強めた場合には、米ドル/円は今月の最安値(130.63円)からの価格の維持が難しくなるかもしれない。
以上を踏まえると、日銀が政策の転換を急いでいないことから、FRBによるさらなる利上げが米ドル/円の価格を支える可能性がある。ただしFOMCのフォワードガイダンスが大幅に変更されれば、米国での金融政策の方向転換が間近に迫っているとの思惑から、米ドル価格の重石になるかもしれない。
チャート作成:ストラテジスト、David Song
補足資料:
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— 文責:ストラテジスト、David Song
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