米ドル/円では、先週から続いていた一連の高値と安値の上昇が途切れ、2日連続で値下がりしている。相対力指数(RSI)が買われすぎの領域を前に反転したことから、今後より大きなプルバックに見舞われる可能性がある。
米ドル/円は今月の高値を更新した(146.56円)後から値下がりを始め、RSIは70より下にとどまっている。とはいえ移動平均線の上方を維持する限り、50日間移動平均(142.32円)の正の傾斜に追随しようとする可能性もある。
今後はワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀経済シンポジウムの動向が米ドル/円の価格を左右する可能性がある。米国の連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ実施の可能性を維持しており、さらに景気後退が迫っている兆候はほとんどないことから、さらなるインフレ対策として政策の引き締めを推し進めようとするかもしれない。
出典:アトランタ連銀
アトランタ連銀のGDPナウ・モデルによると、「2023年第3四半期の実質GDP成長率(季節調整済み年率)の予想は、8月16日に5.8%となり、8月15日の5.0%から上昇した」。米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月の会合で経済予測サマリー(SEP)を更新する予定だが、フォワードガイダンスの調整があるかどうかはまだわからない。
それまではFOMCと日銀の政策の乖離が米ドル/円価格の維持につながるかもしれない。日銀の植田和男総裁はイールドカーブ・コントロール(YCC)と量的・質的緩和(QQE)に固執しており、さらに為替レートは今年初めの値動きの鏡写しのように、50日間移動平均(142.32円)の正の傾斜に追随する可能性があるためだ。
以上を踏まえ、FOMCがインフレ対策を継続する中、連邦準備銀行によるシンポジウムが米ドル/円の短期的な見通しに影響を与える可能性がある。一方、先週から持ち越していた高値と安値の上昇が途切れたことで、今後数日のうちにより大きなプルバックに直面する可能性もある。
チャート作成:ストラテジスト、David Song。 TradingViewの米ドル/円
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