今週は米ドル/カナダドルの強気見通しが試されそうだ。カナダでいくつか重要なイベントが予定されているほか、米国でも市場を動かす可能性のあるデータがいくつか発表される。米ドル/加ドルは、北米の両国が休日であった月曜日は当然ながら小幅なレンジ内で取引されたものの、強気のトレンドは維持された。
金曜日にカナダで発表された経済成長率および製造業PMIが芳しくなかったことを背景に、米ドル/カナダドルでは新たなサポートラインが形成された。一方、米国の雇用統計がまちまちで、FRBが今後の会合で金利を据え置くのではないかという憶測が高まったにもかかわらず、ドル指数は上昇は上昇を見せた。たしかに金融市場は利上げがピークに達したと考えており、30日物フェデラル・ファンド先物市場は、FRBが9月に金利を据え置く確率を93%と示唆している。新規雇用者数は18万7000人と予想の17万人を上回ったものの、失業率は3.8%と2022年2月以来の高水準まで上昇しており、平均時給は前月比0.3%増の予想を下回って0.2%増となった。
米ドル/カナダドルのペアに関して注目すべき重要な経済データを下の表にまとめた。
上記の主要なデータ発表のうち、今週半ばにはBOCによる政策金利決定が控えている。金利は5%で据え置きという予想が優勢だ。ごく少数のアナリストが25bpの利上げを予想しているが、オーバーナイト・インデックス・スワップによるとその確率はわずか15%と低い。
7月のインフレ率が上振れするというサプライズがあったものの、BOCの既定路線が揺らぐことはなさそうだ。というのも、第2四半期のカナダ経済は驚くほどの縮小を見せており、GDPは年率1.2%増の予想に対して0.2%減となっているためだ。個人消費と住宅投資の急な減速が成長の重荷となっているのにに加え、先行き不透明な製造業PMIデータも世界的なトレンドに追随して縮小域に落ち込んでおり(49.6→48.0)、現在4年連続で50を下回っている。
一方でカナダの労働市場も冷え込んでおり、金曜日に発表される新しい雇用統計では、失業率が前回の5.5%から5.6%へとさらに上昇すると予想されている。
出典:TradingView.com
ここ数週間で観察された安値の上昇は、米ドル/カナダドルの見通しが今のところ強気を維持していることを意味する。 金曜には日足で大きな強気の包み足があらわれ、新たな強気シグナルが形成された。この時は1.3500ドル付近のサポートが堅持され、安値から100ピップスの回復につながり、最終的に金曜の終値は1.3600ドル付近という当日高値に近い水準になった。つまり今週はさらに上昇する可能性があるということで、市場の勢いは明らかに上を向いている。月曜日は米国もカナダも休日であることから、今日はあまり大きな動きは期待できないだろう。しかし週の後半には、売り相場よりは次のレジスタンスである1.3650ドルを目指す方が可能性が高そうだ。目先のサポートは木曜日の高値にあたる1.3555ドル付近となる。
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