米ドル/カナダドルは、今週初めからの上昇を打ち消して週の安値を更新したが(1.3390ドル)、カナダ銀行(BoC)は基準金利を据え置くと予想されていることから、金利決定で価格が支えられる可能性もある。
米ドル/カナダドルでは、 米国非農業部門雇用者数(NFP)の予想を超える伸びに対する反応も限定的なもので、その後も5月のレンジの中央付近にとどまっている。特定のチャネルでの取引が続いていることから、今後もこれまでの流れを維持した動きになると思われる。
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結果としては、BoC会合では米ドル/カナダドルの短期展望が揺さぶられることはほとんどないと思われる。中央銀行は現在の政策を維持すると予想されており、ティフ・マックレム総裁らは、「カナダ銀行ではCPIインフレ率が今年半ばに3%程度まで急速に低下し、その後より徐々に低下して2024年末までに目標の2%に達すると予想している」として、引き続き様子見姿勢を続ける可能性があるためだ。
しかしカナダの消費者物価指数(CPI)を見ると、総合値が3月の前年比4.3%から4月には前年比4.4%に上昇したことから、BoCインフレの頑固な継続に反応し、予想外の利上げを実施してカナダドル価格に強気の反応をも垂らす可能性もある。政策委員会は「インフレ率を2%の目標に戻すために必要なら、依然として政策金利をさらに引き上げる準備はある」としているためだ。
以上を踏まえ、BoCが利上げを実施した場合には米ドル/カナダドルは5月の安値(1.3315ドル)からの上昇を維持するのに苦労する可能性があるものの、50日間移動平均(1.3498ドル)と200日間移動平均(1.3510ドル)がそれぞれ相反する傾斜を見せる中、為替レートはこれまでの流れを維持したまま推移する可能性がある。
チャート作成:ストラテジスト、David Song。 TradingViewでの米ドル/カナダドル
・米ドル/カナダドルは4月の高値(1.3668ドル)を試すのに失敗した後、5月のレンジの中間にとどまっているが、1.3440ドル(23.6%のフィボナッチリトレースメント)より上を維持できなかった場合には5月の安値(1.3315ドル)を試しに向かう可能性がある。
・次の注目エリアは4月の安値(1.3301ドル)付近で、1.3230ドル(100%のフィボナッチエクステンション)~1.3310ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)のエリアを下抜けすると、1.2980ドル(61.8%のフィボナッチリトレースメント)~1.3030ドル(78.6%フィボナッチエクステンション)付近までが視野に入ってくる。
・ただし米ドル/カナダドルでは、50日間移動平均(1.3498ドル)と200日間移動平均(1.3510ドル)が異なる傾斜を示していることから、特定のレンジ内での合流が続く可能性がある。1.3440ドル(23.6%のフィボナッチリトレースメント)を超える動きを見せれば1.3630ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)近辺が再び視野に入ってくるだろう。
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