日足チャートを見ると、米ドル/円では弱気の包み足、つまりアウトサイドが形成されており、教科書どおりの古典的な反転パターンになっている。このパターンが(筆者が昨日警告したエリアにあたる)147円の見かけだおしのブレイクアウトと共に形成されたことは興味深い。このエリアは米国の「軟調なCPI」による高値、ならびに2022年の高値圏の出来高が集中していたポイントに該当する。
このようなパターンは重要なレジスタンスエリアであり、反転への期待が非常に強まるところだが、強気か弱気かにかかわらず、この高値付近では警戒が必要であると筆者は考えている。
まず初めに、この反転は主に米ドルの動きであり、米国のJOLTS求人件数の発表がきっかけになったものだ。FRBはJOLTSの推移を注視してはいるものの、一般的に最も重要なデータというわけではないと考えられており、FRBは雇用市場の評価では(金曜日に発表予定のNFPなど)他の多くの指標に従っている。つまり米国の今後の雇用統計が好調であれば、米ドル/円は上昇し、昨日の損失を取り戻す可能性がある一方で、雇用統計が求人件数データを補強するものであれば、さらに値下がりが続く可能性もある。
しかし円相場も考慮する必要がある。米ドル/円は弱気のアウトサイドを形成したが、円は他の6つの主要通貨ペアに対しては弱いままで、等加重円バスケットはサイクル高値付近で推移している。確かに、この状況は貿易相手国に対して円の価値が急速に下がった場合に日銀/財務省が口先介入をする圧力になっているが、現段階では米ドル/円が「炭鉱のカナリア」となるのか、それとも殺される寸前のはぐれた羊なのか、まだわからない。
こうした理由から、筆者は幸先の良い反転パターンを好んで入るものの、今は日中の時間枠のみを注視して、重要な価格水準付近で取引を行い、より大きなマクロの動きを探ることは控えたい。日銀/財務省が口先介入で米ドル/円に圧力を加えるリスクもあるが、米国の経済データが利回りと米ドル/円を押し上げるリスクもある。
米ドル/円では、東京市場オープン直後に、前日の動きに対する強いリトレースメントの動きが現れた。昨日の下げで流動性にギャップが残る可能性が高いことを考えると、次に本格的な動きが起こる前に、より高い位置でリトレースメントが起きる可能性を過小評価すべきではないだろう。146.26円の安値/日足でのピボットポイントは、日足での第1のサポートライン/2022年10月安値/6月高値に向かう動きを前に弱気筋が徐々に撤退を始める可能性のある注目エリアである。
このレベルの重要性を踏まえると、特に今週発表される米国のデータが好調であった場合、強気筋がロングを検討するエリアにもなるだろう。
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