金曜、米国は1月の非農業部門雇用者数を発表した。 総合値は18万5,000人の予想に対して51万7,000人。さらに12月の修正値は26万人となった。 時期ごとの調整方法の更新やベンチマークの見直しがあったとはいえ、予想を2.5倍超上回っている。 加えて失業率は3.4%に低下。予想値は3.6%、前回の値は3.5%だった。これは1969年以来の最低値だ。 結果として、市場はこのデータからFOMCがまだ利上げを停止することはないと判断し、トレーダーはドルを急騰させ、米ドル/円は上昇基調に乗った。 しかし月曜、別の理由から米ドル/円はさらに値上がりした。 週末のうちに、4月に退任する日銀の黒田総裁の後任として雨宮副総裁が選ばれるかもしれないという話が浮上した。 雨宮氏は日銀総裁候補としては最もハト派的な存在と見られており、金融緩和政策を続ける可能性が高い。 最近は日本での金融政策の全面的な見直しの可能性を示唆する向きもあったが、 雨宮氏が総裁に選出されればその線もなくなるかもしれない。 結果として月曜の開場以降、円はさらに値下がりした。
米ドル/円は2022年10月21日にここ20年の最高値を付けて以降値下がりを続けていた。 チャネルに沿って一定のペースで価格が落ちていたものの、1月16日には2022年の安値から高値までの61.8%のフィボナッチリトレースメントにあたる127.22円のサポートレベルに入った。 以来、127.31円から131.47円の間の横ばいでの値動きが続いてきた。しかし月曜に市場が再開してからはこのレンジを抜けて132.42円まで値上がりし、現在は50日間移動平均にあたる132.65円で取引されている。
出典: Tradingview、Stone X
240分足では下向きのチャネルを形成しているが、金曜にはチャネルの上端をなすトレンドラインを抜けて値上がりしていたことに注意したい。 米ドル/円の金曜の終値は131.18円で、月曜には大きく値が開き132.43円となった。 一旦値下がりしてこのギャップを埋めに向かったものの、以前のレンジ相場の高値圏である131.57円近くを維持している。 米ドル/円がこのまま値上がりを続ければ、最初のレジスタンスレベルは1月6日の高値である134.77円まで存在しない。 その上では、10月22日の高値から1月16日の安値までの38.2%のフィボナッチリトレースメント、および200日移動平均(日足を参照)にあたる136.66円/136.78円でレジスタンスラインが合流する。その後は過去のサポート/レジスタンスラインである138.13円まで上がる可能性がある。 とはいえ、短期的なRSIは買われすぎの領域に入っており、下落しつつある。 これは価格が下がりうるということを示している。 最初のサポートラインは月曜の安値である131.51円。その次はギャップが埋まる131.20円、さらに下向きのチャネルの上端をなすトレンドラインにあたる129.85円だ。
出典: Tradingview、Stone X
過去2営業日間の取引で、米ドル/円は128.33円から132.90円まで457ピップスもの値上がりを見せた。 今後も値上がりを続けるだろうか? FRBのタカ派的姿勢と日銀のハト派的姿勢が続く限り、この通貨ペアは値上がりを続けるだろう。 FOMCのパウエル議長は火曜、ワシントン経済クラブで講演を予定している。 最近のFOMC会合、または非農業部門雇用者数に関する補足コメントが出るか注目しつつ、 適切にリスクを管理してほしい。
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