生産者物価指数の背後にある思考プロセスは、生産者側に関連するコストはその後数カ月をかけてサプライチェーンの末端まで届き、最終的に消費者物価指数(CPI)に反映されるというものだ。 今日発表された米国の1月のPPIは予想よりもはるかに高かった。 総合値は前年比5.4%の予想に対し、実際は前年比6%。 12月の値も前年比6.2%から前年比6.5%へと上方修正された。 それでも7か月連続の下落であり、今回は2021年3月以来最低の数値となっている。 さらに1月のコアPPIは、前年比4.9%にとどまるという予想値に対して前年比5.4%となった。12月の値は前年比5.5%だった。これは2021年5月以来の最低水準になる。 インフレ率は望ましい方向に向かっている(下がっている)ものの、PPIは予想を上回り、FOMCのインフレ率目標2%よりかなり高い。 12月のCPIは前年比6.4%で、前年比6.2%の予想よりも高かったことを思い起こしてほしい。
PPIに加え、米国ではさらにフィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表された。 -7.4という予想に反し、実際の値は‐24.3。 前月の値は-8.9だった。 雇用部門と新規受注部門の指数はいずれも下落したが、注目すべきなのは支出部門(インフレに関連する部門)が予想の23に反して26.5に増加したことだ。12月の値は24.5だった。 FOMCは景気後退を懸念していないと述べていることから、フィラデルフィア連銀指数のインフレ関連の値が最も重要になる。 支出が増えているということはインフレが高まっているということだ。
インフレの高まりを示すデータが出たことで、米国の10年物国債の利回りは上がっている。 今日、利回りは日中の最高値で3.869%を記録した。これは2022年12月30日以来最高の水準だ。 この上のレジスタンスレベルである3.905%を超えれば、さらに上昇する可能性がある。
出典: Tradingview、Stone X
水曜日の記事で、米国の10年物国債の利回りと米ドル/円の相関について述べたとおり、10年物国債の利回りが上がれば米ドル/円も値上がりするはずだ。134.77円を超えれば、ストップオーダーが実行されることでさらに買いが広がる可能性がある。最初のレジスタンスラインは136.66円で、これは2022年10月21日の高値から2023年1月16日の安値までの38.2%のフィボナッチリトレースメントレベルにあたる。
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米ドル価格が上昇していることから、ユーロ/米ドルでは2月6日から続いているフラッグパターンを割り込む準備が整ったと考えることができる。 フラッグのベースのすぐ下が、1月初旬までさかのぼるサポートラインだ。 下げ相場を確認するために、トレーダーは1.0635ドルを下回るまではショートポジションを建てるのを待つだろう。 フラッグパターンのターゲット価格はブレイクダウン地点からフラッグポールの高さを足した位置になる。 この場合は12月22日の安値に近い1.0420ドルだ。
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火曜日に発表された消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことに加え、PPI、およびフィラデルフィア連銀製造業景況指数の支出部門からも、インフレに対するタカ派的な姿勢につながる構図が見られる。 これにより米ドル価格は上昇し、米ドル/円も合わせて値上がりしている。 他の通貨ペアでも米ドルの強さは増すだろうか? もしそうなれば、ユーロ/米ドルは今後下落に向かう可能性がある。
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