全体として、過去数か月でインフレは減速を続けている。 市場が12月のCPI値を目にするのは今週の木曜だ。 予想としては総合CPIが引き続き低下することが見込まれており、11月の前年比7.1%に対して12月の予想値は前年比6.5%となっている。 2022年の6月に前年比9.9%という最高値をつけた後、CPIは11月の段階で5か月連続で低下している。 11月の値はまた2021年12月以来の最低値でもあった。さらに、食料品の価格とエネルギー価格を除外したコアインフレ率も、11月の前年比6%に対して5.7%に低下すると見込まれている。 12月のコアCPIが予想通りになれば、こちらも2021年12月以来の最低値になる。
また賃金上昇も減速している。 12月の平均時給は、前年比5%の予想に対して前年比4.6%と伸びが鈍っている。さらに11月の値も前年比5.1%から前年比4.8%に下方修正された。 FRBは人件費の高騰を懸念しており、今回のデータは賃金上昇のペースが鈍りつつあることを示す最初のサインとなった。
市場にとってのリスクは、CPIデータが予想を下回ることだ。 FRBはすでに経済予測サマリーで、フェデラル・ファンド金利のターミナル・レートは5.1%になると見込んでいる。 現在のフェデラル・ファンド金利は4.50%。 インフレ率のデータが予想を下回れば、2月1日の会合での利上げ幅が小さくなるという観測が市場に広がり始めるかもしれない。 CME FedWatchツールによると、市場の78%が25bpの利上げを、22パーセントが50bpの利上げを見込んでいる。
Source: CME
これまでそうだったように、インフレ率が予想より低いと株価には良い方向に、米ドル価格には悪い方向に作用するはずだ。 米ドル/円は、財務省が2022年の2回目の為替介入を行う10月21日までは上昇を続けていた。為替介入後にはこの通貨ペアはチャネルに沿って安定したペースでの下落を始めていたが、11月10日、そして12月13日に予想を下回る米国CPIが発表されると、米ドル/円は暴落した。 11月10日の値下がり幅は545ピップスで、財務省の2回の為替介入時よりもはるかに大きな下落となった。
Source: Tradingview、Stone X
日足では、米ドル/円は現在チャネル上端のトレンドラインで取引されている。 最初のサポートラインは2023年1月3日の安値である129.50円。 次のサポートラインは2022年の安値から2022年の高値の61.8%のリトレースメントレベルにあたる128.17円だ。そこを割ると、5月24日の安値である126.36円まで下落する可能性がある。一方、CPIが予想通り、または市場の予想を上回れば、米ドル/円は上昇するかもしれない。 最初のレジスタンスラインは1月10日の安値である134.77円。 そこを抜ければ、200日移動平均にあたる136.53円付近、さらに12月15日の高値である138.18円まで上昇する可能性がある。
12月の米国CPIは1月12日木曜日に公表される予定だ。 昨年夏からインフレ率は低下傾向にあるが、それは今後も続くだろうか? CPIが引き続き市場の予想を下回れば、米ドルが売られて米ドル/円の値下がりが続くと見込まれる。
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