Quiver Quantitativeのデータに基づき、4月6日までの過去24時間で、RedditのWallStreetBetsスレッドで言及された回数がもっとも多かった米国株トップ10を下記にリストアップした。上場投資信託(ETF)その他の商品は除く。次回の『Redditユーザー注目の株式』の掲載は4月11日になります。
景気後退の懸念が再び高まり始めたことから、各指数が直近の高値から下落する、株式市場にとっては厳しい週で、米国先物の価格は伸び悩んでいる。ダウ平均株価の上昇率は0.1%で、もしこの勢いを維持できれば、普段よりも平日が少ないこの短い週で0.7%の値上がりを確実にするだろう。S&P 500は0.1%の値上がりだが、今週は依然としてマイナス圏にとどまっている。テクノロジー銘柄の比重が高いナスダック100は0.1%下落し、今週は1.6%のマイナスが見込まれている。求人労働異動調査(JOLTS)、ADP、ISMサービス業PMIの軟調な結果から米国経済の減速への懸念が広がり、トレーダーたちは銀行システムの不安定性と、昨年来の利上げの効果が遅れて現れることで、景気後退に入るかもしれないという疑念を抱いている。
NVIDIAは0.6%の下落で、4月の最安値から取引を開始する。半導体メーカーである同社は、2023年の最初の3か月間に過去20年で最高の四半期収益を上げていたが、ここにきて失速しつつある。AlphabetのGoogleによる人工知能の稼働と訓練に特化したハードウェアが、NVIDIAのA100チップより高速で電力効率に優れているという発表が、ハードウェア業界の比類なきリーダー企業になるというNVIDIAの評判に冷や水を浴びせた形だ。重要なのは、最近生産が始まったNVIDIAの新型のH100と比較した性能はまだわからないということあd。また、NVIDIAがの混合予想株価収益率が56.8倍という評価も今週の売りにつながった可能性がある。これは業界標準である27.8倍の2倍に相当する。
一方、同じく半導体メーカーであるAMDの株価は0.7%下落し、ここ3週間での最安値から取引を開始する。このメーカーの株価収益率は27.0倍だ。電子機器メーカー大手のSamsungは、新しいモバイルデバイスのグラフィック性能向上を見据え、AMDのRadeonグラフィックス製品を使用するライセンスを数年にわたって延長する契約を締結した。この2社の提携は2019年から続いている。
半導体は重要な武器になりつつあることから、メーカーはまた地政学的な緊張状態からもプレッシャーを受けている。今週は米国に続いて日本も主要な半導体製造装置の中国への禁輸を提案したため、中国と日本の間で舌戦が起きている。さらに欧州連合も、米国やアジアへの過度な依存を脱するため、地域内の産業の保護・育成を目指した独自の「半導体法」の制定を進めている。QualcommやIntelといった他の半導体メーカーも現在は小幅安の展開になっている。
Teslaは0.7%の下落で引き続き失速。昨年の第4四半期と比較して今年の第1四半期の生産・納入台数の伸びが緩やかになっているという発表から、たびたびの値下げが利益率を悪化させているだけでなく、需要に対して十分なサポートを提供できずにさらなる値下げを余儀なくされるのではないかという懸念を呼んでいる。
Fordは0.2%の値下がり。これに先立って、厳しい条件にもかかわらず、同社の電気自動車とハイブリッドモデルが全て2023年の連邦税還付の対象となることが発表されている。Teslaも含めた多くの企業が、バッテリー材料の調達先に関する新しい規制のから一部の車種が税金還付の対象にならないという警告を出しているが、FordはピックアップトラックF-150ライトニングを含む同社の全車種で7,500ドル全額の還付を受けられるとしている。
FedExは昨日7ヶ月ぶりの高値をつけた後、小幅安の229.87ドルで取引されている。運送業大手の同社は、2つの中核配送網を1つのビジネスに統合して40億ドルのコストを削減する計画を発表し、これにより年間配当を10%引き上げるという見通しを示した。これにより2024年6月までに、速達部門と、ラストマイル配送を外部委託している陸上輸送部門を統合し、利益率の改善とUPSなどのライバルに奪われた地盤の回復を図る算段だ。アナリスト達はこの動きを歓迎している。モルガン・スタンレーは、これでFedExは利益を統合するという「聖杯」探求の道のりに出たとしつつ、当初の構想よりは長期間にわたる可能性があるとも警告している。コーウェンはより身軽で利益率に高い事業につながるだろうと述べた。今朝、ベアードはFedExの目標株価を250ドルから275ドルに引き上げ、ジェフリーズは225ドルから230ドルに、コーウェンは235ドルから280ドルに、シティグループは275ドルから285ドルに、クレディ・スイスは269ドルから273ドルに引き上げた。
Appleは今朝0.1%値下がりし、4月の最安値である163.55ドルから取引を開始する。iPhoneのメーカーであり、近々インドに最初の店舗をオープンすることを明らかにした同社に対し、BofA Global Researchは目標株価を158ドルから168ドルに引き上げ、iPhoneとサービスの需要は「安定的」であり、為替の追い風に助けられているした。MacとiPadの状況は引き続き厳しいとしながらも、利益率の高い領域は順調に推移していると述べている。
Amazonは取引終了前に0.2%値下がりして100.94ドルとなった。オッペンハイマーは今朝、同株の目標価格を$135ドルから125ドルに引き下げた。その一方、英国の規制当局はAmazonが提案したロボット掃除機メーカーiRobotの17億ドルの買収について、コネクテッドデバイス市場の競争を低下させる恐れがあるとして調査する方針を発表した。米国の規制当局はすでに対処を検討している。
Disneyの株価は今朝0.2%値下がりした。マーベル映画のフランチャイズを率いていたアイク・パールマターが解雇されたことが最近判明したが、彼は昨日のWall Street Journalで、ディズニーにコスト削減計画を強く迫りすぎたため、またボブ・アイガーCEOの復帰後に呼び戻されたクリエイティブ部門経営陣との緊張関係から解雇されたと語っている。またパールマターは、アクティビスト投資家であるネルソン・ペルツがディズニーの取締役会の席を得ようとした際も支援した。パールマターはディズニー株3,000万株(30億ドル相当の)を引き続き所有し続けるつもりだと語っている。
銀行は依然として議論の的になっている。SPDR S&P地域銀行指数はここ29か月での最安値を試す動きを続けており、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の先月の破綻に端を発した銀行危機が収束したと市場が確信するにはまだ時間がかかることが伺える。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは今週「今後数年間は影響が続くだろう」と警告した。
JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループを皮切りに来週から始まる米国銀行の業績発表シーズンを前にして、この値動きから暗雲が立ち込めている形だ。自信を回復する任務を背負った銀行株にとってなぜ今がこれほど重要な時期なのか。銀行の業績発表スケジュールと見通しは米国銀行2023年第一四半期決算プレビュー(英文のみ)で確認できる。
一方、 First Republicは今日さらに0.2%の値下がりをつけた。先月流動性問題に見舞われ、大手銀行グループによる300億ドル相当の資金注入で救済されたこの地域銀行は、危機の影響で優秀な人材を確保するのに苦労している。Barron’sによると、ファイナンシャルアドバイザーのスティーブン・ルバインとそのチームは、First Republicのウェルス・マネジメント部門を抜けてモルガン・スタンレーに移ったという。
Charles Schwabは0.5%値下がりして48.63ドルで取引されている。昨日ここ29か月の最安値で取引を終えた後、6セッション連続で失速を見せている。同行は投資家に対しては何があっても生き残ることができると述べているものの、市場全体を襲っている問題を十分に防いでいるという信頼を得ることはできていない。KBWは今朝、同行の株価の目標価格を89ドルから65ドルに引き下げたが「パフォーマンス良好」の格付けは維持した。同社はCharles Schwabの短期的な業績見通しと視界に対する「現実的なリスク」を認めつつも、最近の暴落は行き過ぎであるとし「現在の水準では魅力的」と評価している。
Toronto-Dominion Bankは0.5%下落。一部の株主は依然として、同行の買収提案以来業績が低迷しているFirst Horizonに対して過大な金額を提示したのではないかという疑いを持っており、これがプレッシャーになっている。銀行危機の影響を受けてリスクが高まっているため、一部の投資家はFirst Horizonを134億ドルで買収する計画を断念するか再交渉するよう銀行に求めていると、何人かの株主がロイターに語っている。現在の買収提案は1株あたり25ドルだが、First Horizon株は急落して現在わずか17.63ドルでの取引となっている。株主であるバスキン・フィナンシャル・サービシズのポートフォリオ・マネージャー、バリー・シュワルツ氏はロイターに対し、「この環境下でTDが買収を進めるべきとは思わない」と述べた。「この件からは手を引いて、もっと安い他の買収をするべきだ」という。銀行セクターが脆弱なままである現在、Toronto-Dominion Bankはショート筋のターゲットになっていることも事実だ。ブルームバーグは今週、S3パートナーズのデータを引用して、同社に対して約37億ドルの資金を投入していると報じ、同行は世界で最も空売りされている金融機関となっている。
Eniのニューヨーク証券取引所での終値は29.48ドルとなった。シティグループは、このイタリアの大手石油会社のカバレッジを再開し、欧州株のレーティングを「中立」、目標株価を13.50ユーロとし、今日は0.7%高の13.53ユーロとした。Eniの子会社であるVersalisは、イタリアの化学会社Novamontのうち、まだ所有していない部門の買収を独占的に交渉していることを明らかにした。VersalisはすでにNovamontの36%の株式を保有しており、Mater-Biから残りの事業を買い取ることを目指している。先週末にOPEC+が発表したサプライズ減産を受け、約1か月ぶりの高値まで急騰した原油価格は今週は冷え込んでいる。
ミーム株の値動きを見てみましょう。AMCエンターテインメントは本日6.7%高の4.32ドル、一方、APE優先株は13%減の1.49ドルです。APE株のAMC普通株への転換計画に反対していた株主との訴訟が和解し、両株式のスプレッドが縮小する兆しが一時的に見えていました。しかし、不満を抱えた投資家と和解したにもかかわらず、裁判所はAMCが現在APE株式の転換とさらなる資金調達を妨げている差し止め命令の解除を求める申し立てを却下しました。裁判所は「当事者は現状維持の命令を解除する正当な理由を提示していない。よって、この申し立ては却下する」と述べました。そのため、APE株がリスクを抱えたままになっているため、スプレッドが再び広がっています。
C3.aiは、今週初めに15ヶ月以上ぶりの高値をつけた上昇が、空売り筋のKerrisdale Capitalからの申し立てによって頓挫したため、本日1.3%下落し、3週間以上ぶりの安値で取引を開始する流れです。Kerrisdaleは監査法人に申し送りをし、同社の「深刻な会計と開示の問題」を告発しました。これより以前の3月に、C3.aiが酷評を受けました。当時、「投機的な感情の高まりは、長くは続かないだろう。C3の顧客牽引力の低さ、販売パートナーシップの失敗、財務上の圧力といった現実が、苦しい状態を引き起こすだろう」と述べています。今回の申し立てでは、C3.aiは「売上高と特定の利益指標に関するセルサイドのアナリストの予測を満たす目的で、損益計算書の指標を膨らませるため、そして根本的な事業の著しい悪化を隠ぺいするために、非常に積極的な会計処理を行った」とされています。C3.aiはこれに対し、この報道は株価を押し下げるための「高度に創造的で明らかな試み」であると述べています。Fintelのデータによると、27%を超えるC3.aiの浮動株が空売りされていることから、2023年に見られた上昇の後、空売りをしている企業はKerrisdaleだけではありません。
Redditで話題になっている多くの銘柄をCity Indexで取引することができます。取引が初めての方は、「ミーム株とは何か?その人気の理由は?」のガイドをお読みください。(英文のみ)
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ミーム株とは、ソーシャルメディア(Redditディスカッションフォーラムを含む)で人気を得た企業の株式のことです。これらのオンラインコミュニティには、特定の銘柄を研究している個人トレーダーや投資家が集まり、株価に影響を与えるための協調的な活動を展開しています。
ミーム株について学ぶ(英文のみ)
2021年、個人トレーダーのコミュニティがRedditフォーラムのr/WallStreetBetsで戦略を調整し、GameStopで株式とアウト・オブ・ザ・マネーのオプションを購入しました。目的はショートスクイズを起こし、空売りをしていた機関投資家やヘッジファンドに損失覚悟で買い戻しをさせるというものでした。
最終的にこの戦略は成功し、GameStopの評価額は2020年の10億ドルから2021年には220億ドル超に高騰しました。このため、空売りを行った投資家は、総額約60億ドルの大損害となりました。この現象は、株式市場の「ダビデ対ゴリアテ」と呼ばれました。
ショートスクイズについて詳しく学ぶ(英文のみ)
Reddit株の取引における主なリスクは、社会的な感情の揺れによって引き起こされるボラティリティです。例えば、2022年夏に投資家がBed, Bath and Beyondの株価を314%上昇させましたが、数日後に暴落し、個人投資家に大きな損失を与えました。
ミーム株の取引におけるリスクを管理するために、ポジションには必ず損切価格を設定することをおススメします。
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