12月のフィラデルフィア連銀製造業指数は-8.9となり、予想(-11)と12月の結果(-13.7)の両方を上回ったが、それでもなおマイナスだった。 これは5回連続のマイナスで、過去8か月で7回目のマイナスとなる。 雇用要素は-0.9から10.9へと改善され、新規受注要素は-22.3から-10.9へと伸びた。 しかしながら、製造業景況指数の大部分を反映していると思われる支払価格要素が、36.3から24.5に落ちた。 これは2020年8月以来最低となるインフレ要素だ。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は依然マイナスだが、今週初めに発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数に比べれば、はるかにましだ。 NY連銀製造業景況指数は予想の-9、12月の-11.2に対し-32.9だった。 これは2020年5月以来最低の数値で、史上5番目に悪い結果だ。 新規受注は急落(-31.1、前回-3.6、)し、出荷(-22.4、前回5.3)も同様に悪化した。来週はリッチモンド連銀製造業景況指数とカンザス連銀製造業景況指数が控えているが、これら2つの指標は、フィラデルフィア連銀製造業景況指数およびNY連銀製造業景況指数ほど重要視されていない。
本日の指標が米ドルに与えた影響は限定的だった。市場はFRBが今後利上げをさらに躊躇するのか、それともこれらの数字はリセッションが待ち構えていることを意味するのかを判断しようとしているからだ。ドル指数(DXY)はここ5日間102.24付近でほぼ横ばい。 しかしながら、DXYは、2022年安値~2022年高値までの61.8%フィボナッチリトレースメント水準である102.34付近の重要サポートに居座っている。 この指数はまた、5月30日からの水平サポート101.30の上で推移している。 DXYが1月12日高値の103.29のレジスタンスへ向かって再上昇するか注視したい。
出典: Tradingview, Stone X
一方、S&P 500は、ここ数日の予想を下回るデータにネガティブな反応を見せている。 この大型株指数は2022年1月上旬からのトレンドライン下で推移していた。 昨日は、200日移動平均線と50日移動平均線も下回った 本日の指標発表後、S&P 500は水平サポートの3898.6を下回った。 これにより、2022年12月22日安値の3763.4と、2022年10月13日安値~2022年12月13日高値までの61.8%フィボナッチリトレースメント水準となる3738.1まで下落する可能性が出てきた。 そこを割ると、価格は2022年10月13日安値の3489まで下落するかもしれない。
出典:Tradingview, Stone X
過去数日間で発表された12月の製造業景況指数は米ドルにとって良いものではなく、S&P 500にとっても悪いものとなった。 このままデータの悪化が続いても、米ドルは影響を受けずにいるのだろうか? そして今度は指標の悪化がリセッションの懸念のある株式に悪く響くのだろうか?どちらとも重要サポートレベルに注意だ。
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