2023年の金融政策決定会合での日銀の動きは以下の通りだった。
経済活動の見通しとしては、
筆者がこれまで述べてきたことをあらためて繰り返そう。日銀会合では市場の予測に沿った対応は絶対に取らない。日銀が何もしないという公算が高い時には、全く予想されていなかった政策変更を行って市場を驚かせる。
市場の期待が高まっていたにもかかわらず(おそらくは期待が高まっていたからこそ)、日銀はYCCの目標値を変更も廃止もせずそのままにしたのだ。政策金利は予想通り-0.1%に据え置かれたが、私が疑っていたようにインフレ目標を変えることはなかった。最大の変更点はどうやら「気候変動対応のための資金供給スキーム対象機関」を広げた程度で、記者会見を前に全体としては何も話題はない。
反対者が出なかったことは驚くべきだろう。委員会の全員が今回の会合で政策を変更しないことに賛成したということだ。4月に後任と交代する前に、黒田総裁が何らかの形で政策の総括をする気があるという予測も疑わしくなってくるかもしれない。こうなると、今月初めのような予定外の政策変更、または3月10日の自身最後の会合で黒田総裁に一波乱起こす意図がある、という可能性が残る。
まだ記者会見を待っているところなので、もしかしたら何らかの隠しネタがあるかもしれない。しかし、今のところは、タカ派の会合となることを信じて先手を打っていた人たちが慌てて逃げ出したため、日本円は広範囲にわたって弱くなっている。
10年物国債利回りは、原資産価格がハト派的となった会合で急騰したため、急落した。この点では、会合は成功と言えよう。日銀は低利回りを望んでいるからだ。あとは17:30(日本時間)に行われる記者会見を待つのみだが、新しく追加されるものが何もなければ、円は安くなり(USD/JPYは強気)、日経は上昇するだろう。
最新ライブストリームでもおわかりのように、日経は200日移動平均線付近でトリプルボトムを形成しようとしている。そのため、ボトム部分から大幅に上昇し、週足で包み足となる軌道だ。25,500円下抜けを躊躇していることから、ファンダメンタルズに関係なく、レジスタンスとなる27,400円付近の窓を埋めに行くのではないだろうか。その場合、強気筋は、より短い時間足を詳細に調べ、自分の基準に合ったエントリーを探すことになる。
豪ドル/円は現在の水準付近で、特に日足ベースで92.00付近か、それを上回って引ければ、おもしろい展開となりそうだ。本日は200日移動平均線、90.89~91.43のレジスタンスゾーン、そしてトレンドのレジスタンスを上回って陽線で引けようとしている。もちろん、本日の記者会見でタカ派的なバズーカがあれば、急落する可能性もあるが、そうでなければ、最低限のレジスタンスへ向かって上昇の道を歩むかもしれない。
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