円安が進行
ドル円は大きく上昇。1ドル=153.70円からスタートすると、FOMCと日銀会合を控えて週初は売りが優勢、火曜日のNY時間に153.16円を記録。水曜日のFOMCでは大方の予想通り政策金利が0.25%引き下げられ4.25-4.50%に設定された。ただ発表された経済・金利予測において2025年のFF金利(政策金利)中心が9月時点の3.4%から、今回発表で3.9%へと引き上げられており、これをうけて米長期金利が上昇。その後のパウエルFRB議長のスピーチでも追加利下げに慎重な姿勢が示され、154円台後半まで値を切り上げた。木曜日には日銀会合で金融政策据え置きが決定。また植田日銀総裁から春闘を見極めたい姿勢が示されると円売りが加速、ドル円は155円を突破すると、金曜日の東京時間にかけて上昇が続き157.93円まで上値を伸ばした。週末にかけては手仕舞い売りが優勢で156.41円でクローズ。
ユーロは下落。1ユーロ=1.0488ドルからスタートすると、週初と概ね同レベルでFOMCを迎えた。FOMCではFF金利見通しの引き上げと、パウエルFRB議長の追加利下げに慎重な姿勢が示され、ドル高、ユーロ安の展開となり1.04丁度を割り込んだ。金曜日のロンドン時間に今週の安値1.0343まで下落したのち、週末にかけては買い戻され1.0430でクローズ。なお火曜日に発表された12月ZEWドイツ景気期待指数は前月比+8.3の15.7と前月分を上回る結果となった。来年2月に予定されているドイツの解散総選挙に伴う経済政策への期待とECBの利下げ期待を背景に、経済見通しに改善の兆しが見られている。
小幅にドル高、人民元安。1ドル=7.2792人民元からスタートすると、週初は人民元安を主因として上昇、7.29台でFOMCを迎えた。FOMCではFF金利見通しの引き上げと、パウエルFRB議長の追加利下げに慎重な姿勢が示されたことでドル買いが加速、7.3261の今週高値を記録した。週末にかけては日本円の買い戻しにつれて下落し、7.2929でクローズ。ドル円とともに、ドル人民元も上昇傾向が続いている。
ドル買いが優勢(179/196ヵ国)
クロス円は軒並み上昇
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
引き続きドル高継続となるか。
クリスマス休暇であり、24日 & 25日はあまり大きな動きには繋がらないだろう。
日本円、ユーロ、人民元はそれぞれ個別の要因で動き始めており、個別事情を勘案して方向感を掴んでいく必要がありそうだ。
想定レンジ:155.50~158.50
投機筋主導の円安ドル高が進んでいる印象。ただし今週はクリスマス休暇でもあり、小幅な変動に留まる可能性にも留意しておきたい。
想定レンジ:EUR/USD 1.0330~1.0530
ユーロ圏の一部の指標には持ち直しの動きが見られている。今週はクリスマス休暇で、特にユーロ圏、スカンジナビアは休みが多いので、あまり大きな変動に繋がらないシナリオも十分あり得そうだ。
想定レンジ:USD/CNH 7.22~7.40
中国はマクロ経済対策を強化する方針であるが、本格的な成長回帰のためには対外開放、規制緩和、現体制からの脱却が必要であり、難しい時期が続く。ドルが堅調に推移していることもあり、引き続きドル高、人民元安方向で見ておくのが無難だろう。
23日
24日
25日
26日
27日
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