昨日大きな注目を集めた、FOMCのジェローム・パウエル議長による講演と、ニューヨーク連銀総裁がウォール・ストリート・ジャーナルの「連銀通」ニック・ティミラオスに語った今回の談話で、私たちは過去24時間に中央銀行の最有力者2人のコメントを受け取ったことになる。
ウィリアムズ総裁によると、FRBの担当者が12月に提出した経済予測は、依然として今年の金利の方向性について良い手がかりになるという。
政策決定担当者は2023年末までのフェデラル・ファンド金利のベンチマークとして、中央値を5.1%と予測しており、これは今年さらに何回か利上げが実施されることを示唆している。ウィリアムズ総裁はこれについて、供給と需要のバランスを取りインフレ率を引き下げるために今年すべき対策としては「依然として非常に合理的な見方だ」と述べた。
ウィリアムズ総裁によると、インフレ率の高止まりや金融環境の緩和が見られれば、FRBは十分な金融引き締めの水準を維持するために金利を上げる必要があるかもしれないという。ウィリアムズ総裁は金利について「かろうじて引き締めの水準に入っている」にすぎないとし、インフレの先行きはまだ非常に不透明であると述べた。
FRBは十分な金融引き締め政策を取ることが必要であり、インフレ率を2%にするためこの姿勢を数年にわたって維持する必要があると考えている。
人件費の高騰は依然としてFRBの2%の目標値を「大きく超えて」おり、サービス部門では住宅、飲食、エネルギーの分野を除いて未だに需要と供給の不均衡が続いている。FRBはこの部門の活動を2%のインフレ率目標に合わせることに注力するべきだ、とウィリアムズ総裁は強調した。
ボストン連銀のリサ・クック総裁も別の場で金融政策についてコメントしており、インフレを抑えるためにさらに利上げが必要であると繰り返している。クック総裁は、当局はインフレの抑制に力を尽くしており、さらなる金融引き締めは正当化されると述べたものの、彼女自身は漸進的なアプローチを好むと述べた。
トレーダーはさらに、今日の午後に予定されているFOMCのウォーラー委員の談話にも注目しているが、どちらかといえば、たとえインフレがしつこく続く場合であっても、FRBが経済を悪化させるほどの引き締め政策を取るという見方に対しては市場は懐疑的である。
今日のFRB関係者の談話に対して、市場はこれまでのところそれほど激しい反応は見せていない。トレーダーたちはすでに、次に注目すべき重要なデータとして来週のCPI発表に目を向けているからだ。主な指数は軒並み値下がりしたものの、週を通じてほぼ横ばいの動きが続いている。米国の主な株価指数の中でもナスダック100はテクニカル面で最も堅調に推移しており、今年に入ってから高値に向かっているチャネルの内側で、依然として値上がりを続けている。
かつてレジスタンスラインだった、200日間移動平均付近の12,200のサポートラインが維持されれば、テクノロジー株を中心に構成されたこの指数の最も低いレジスタンスラインも、高値圏にとどまるだろう。強気筋であれば最近の9月の高値である12,900、そこを超えれば8月の高値である13,700も視野に入ってくる。
出典: StoneX、TradingView
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