今日のメモリアルデーの祝日の後、米国株式市場では過去2ヶ月間の上昇を継続する準備が整っており、ナスダック100が最も恩恵を受けると考えられる。今日開場している主な市場のうち、日経平均は1%以上値上がり(年初来で20%の値上がりを記録)。ウォール街の「恐怖指数」であるVIXは、債務上限に関するニュースを受けて今朝は17ポイントまで低下。
バイデン大統領とマッカーシー下院議長は、週末に債務上限の引き上げについて事実上合意に至ったものの、延長された6月5日の期限までに、上下両院の各会派にこの合意への賛成を取りつけなければならない。政府支出の制限は10月の会計年度開始時から適用されると見込まれるが、それより前からコロナ対策支援金の取り崩しや学生ローン支援の段階的縮小など、小さな影響が出てくる可能性がある。より広い経済への影響としては、政府支出の制限が、高金利環境と融資へのアクセスの制限によって負担がかかっている米国経済のさらなる重石になる可能性がある。連邦政府および州政府の支出は、これまで米国の成長を支えてきたものの、この支援はなくなっていくかもしれないのだ。
最近のブルームバーグ紙のアンケートでは、エコノミストたちは第3四半期と第4四半期の国内総生産が前年比で0.5%減少するとの見通しを示しており、またこの回答者グループは2024年に景気後退に陥る可能性を65%としている。一方、(最近の経済データではまだ明らかになっていないものの)景気の減速によって、FRBが6月中旬の政策決定会合で金利の据え置きを決める可能性もある。現在、フェデラル・ファンド金利の先物市場の動きは、7月に最後の25bpの利上げが実施されることを示唆している。
現在はテクノロジー株で非常に急激な値動きがあり、これが今週のテーマとなる可能性がある。先週はエヌビディア株の異例の値上がり目立った。テクノロジーコングロマリットである同社が予想を上回る四半期決算を発表した後、木曜に同社の株価は26%の値上がりをつけた。2022年にナスダック100指数は3分の1の下落を見せたが、今年はこれまでのところテクノロジー株への買い意欲が凄まじい。5月だけでも、エヌビディア(89.9%)、セールスフォース(49.6%)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(38.0%)、アリスタネットワークス(32.0%)、モノリシック・パワーシステム(30.6%)、アップル(30.6%)、カデンス・デザイン・システムズ(30.4%)、アンシス(30.0%)、とテクノロジー企業の8銘柄が30%を超える値上がりをつけている。
今週、債務上限に関する合意が成立すれば、金融市場はリスクオンに転じる可能性があり、最も恩恵を受けるのはテクノロジー株と見込まれる。
今日の主要市場:
・米国株式先物は、アジア時間月曜朝の取引で0.5%上昇したもののその後反落、本稿執筆時点では0.2%の上昇。
・東京株式市場では、月曜日の取引で日経平均が1%上昇。
・DAXは横ばい。
・ウォール街「恐怖指数」として知られるVIXは、3%低下して17.4に。
・ドル指数は先週1%上昇した後、今朝は各種通貨に対して変化なし
・10年物国債先物の利回りは低下、利回り見込みは4.46%とわずかに上昇
・今朝の金価格は1オンス=1963ドルで横ばい
・原油価格は0.3%値下がり、1バレルあたり72.5ドル
マーケット概要執筆:ファイナンシャルライター、Paul Walton [email protected]
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