16日の日経平均株価は続伸、前日比+534.53円、+1.39%となる38,920.26円で大引け。
好調な米国株式市場に連れて、日経平均株価は前日の終値より310円高い38,646円で寄り付き。勢いそのままに寄り付きから10分程度で38,898円まで上値を伸ばしたが、為替が円高に振れたこともあり、最近よく見られるいわゆる寄り天(寄り付き天井)の流れとなり、次第に売りが優勢になると38,513円まで値を下げた。その後10:00ごろに円高の流れが収まると、日経平均株価は38,682円まで買い戻されて前場クローズ。
後場はじり高の展開となったが38,800円を目前に足踏みする時間帯が見られた。このまま寄り天で終わりかと思われたが、14:30頃に38,800円を突破すると急伸、38,949円まで上値を伸ばしたのち38,920円で引けた。
当日は半導体銘柄が上昇を牽引。東京エレクトロンが+155.9円、アドバンテストが+41.6円、ソフトバンクグループが35.3円、TDKが+32.2円、それぞれ日経平均株価を押し上げた。その他、決算を終えたリクルートが+63.2円、ファーストリテイリングが61.8円、それぞれ日経平均株価の上昇に寄与した。
なお今朝の日経平均株価CFDは38,551円で取引されており、17日の東京株式市場は下窓を開けてオープンしそうな状況。
16日の米国株式市場は主要3指数が小幅に反落。
21:30に3つの米国経済指標が発表された。新規失業保険申請件数は22.2万人と2週連続で大きめの数値。4月新築住宅着工件数、建築許可件数は住宅市場の過熱感が緩やかに収まりつつあることを示唆。5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月比で弱い4.5と、いずれもぱっとしない数値。
これを受けて何か大きく投資判断が変わるというインパクトの大きい数値ではなかったこともあり、米長期金利が小幅に反発、米株には若干の下押し圧力が掛かった。
その後22:15に発表された米国4月鉱工業生産は+0.0%と絶対値としても、前月比でも芳しくない数値。
S&P 500指数は前日終値より1ドル高い 5,310ドルで寄り付くと、午前のうちは小幅に上昇し5,325ドルまで過去最高値を更新。なおこのタイミングでダウ工業株30種平均は節目の40,000ドルを突破。午後に入ると節目の水準に到達したこともあり利食い売りが優勢。5,296ドルまで下落したのち、5,298ドルでクローズ。
決算発表を終えてウォルマートが+6.97%と大きく買われたことで生活必需品のセクターは買い越されたが、その他の業種では売りが優勢になっている。特に主要3指数が揃って過去最高値を更新したことで、大型株中心に利食い売りが優勢になった。
EUでは若年層に向けた中毒性のあるコンテンツについて、日本では有名人を使った虚偽広告について、それぞれ提訴されているメタが▲1.73%と大きめの下落。その他ウォルマートとの対比かアマゾンが▲1.27%と大きめに売られた。
なおブルームバーグによればクリーブランド連銀のメスター総裁が「インフレが米金融当局の目標である2%に向かう道筋にあるとの確信を得るには、さらなるデータが必要だ」との見解を示したようであるが、相場への影響は限定的に留まっている。
①週末は利食い売りが優勢になるか?昨日に米国の主要株価指数が過去最高値を更新したことで、週末に向けて利食い売りが優勢となるか注目したい。
②弱さを見せ始めた米国の景況感。やや弱い4月雇用統計に加えて、新規失業保険申請件数が増加、5月ミシガン大学消費者センチメントが悪化、4月小売が横ばいと、ここにきて米国の経済指標に弱さが見え始めている。こうした指標が続くかどうかが1つの大きな注目点と言える。
③中国4月小売売上高。中国の景気は世界の景気を占ううえで重要で、その中でも特に割合の大きい個人消費を測る指標として注目しておきたい。
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