英消費者物価指数(CPI)が予想以上に下落したことを受け、英ポンド/米ドルには引き続き下落圧力が掛かっている。相対力指数(RSI)は買われ過ぎの領域から離れており、6月の高値(1.2848ドル)付近の過去のレジスタンスゾーンを終値で下回ればさらに大幅な下落につながる可能性がある。
英ポンド/米ドルは、2022年4月の高値(1.3167ドル)を試すのに失敗し、5日連続で弱含みの展開となった。民間セクターの支出の減速が予想される中、8月3日のイングランド銀行(BoE)による政策金利決定を前に、英ポンドは逆風に直面する可能性がある。
英国の小売売上高は、前月の0.3%増に続いて6月も0.2%増と予想されており、需要緩和の兆しがBoE内の意見対立の拡大につながる可能性がある。6月の会合でもすでに7対2と票が割れていた。
とはいえ、BoEは「中期的に消費者物価上昇率を目標の2%に戻して安定させる」と公約しており、前向きな展開はポンド/米ドルの最近の暴落を抑制する可能性がある。また、「中銀エージェントからの報告では、商品・サービスともに消費者需要は予想以上に底堅いと伝えられた」ことから、金融政策委員会(MPC)の過半数が政策の引き締め強化に投票するかどうかは未知数だ。
出典:CME
それまでは、7月26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定がポンド/米ドルの値動きを左右する可能性がある。FOMCは25bpの利上げを実施するとの見方が優勢だが、利上げサイクルが終わりに近づいている兆しもあることから、市場参加者は金融政策のフォワードガイダンスにより一層の注意を払うだろう。
以上を踏まえ、このところの高値と安値が下落を続ける中、英ポンド/米ドルはFOMC会合を前により大きな揺り戻しに見舞われる可能性がある。相対力指数(RSI)は買われ過ぎの領域から離れ続けており、6月の高値(1.2848ドル)付近の過去のレジスタンスゾーンを終値で下回れば、より大幅な下落につながるかもしれない。
チャート作成:ストラテジスト、David Song 。TradingViewの英ポンド/米ドル
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