月曜の欧州時間の取引では、ポンド/米ドルは1.2850ドルより上のプラス圏を維持し、ほとんど変化がなかった。しかし今週は後半にかけてボラティリティの上昇が予想される。イングランド銀行の金利決定に加え、今後数日のあいだに主要な米国の経済データ発表も控えていることから、今週の注目通貨ペアでは英ポンド/米ドルを取り上げる。
投資家は、米ドルが少なくとも一時的に底を打ったのではないかと考えている。先週はさまざまな通貨に対して2週連続でドルの終値が上昇したことから、多忙な週を前にドルがさらに上昇するリスクは確かにある。
世界最大の経済圏を誇る米国の回復力を強調するデータのおかげで、米ドルはここ数日再び強さを見せている。ディスインフレの兆候は消費の力強さで相殺されており、金利が5.5%(先進国の中ではニュージーランドと並んで最高)となっても、深刻な景気後退は避けられるかもしれないことを示唆している。
FRBから見れば、現在の金融政策はかなり引き締めが強く、これ以上の利上げを避ける可能性もある。しかし、世界最大の経済大国が比較的好調を維持しているということは、おそらく世界の他の重要な経済地域よりも引き締めの強い金融政策が長く続くかもしれないということだ。
FRBの次の会合までは約2ヵ月あり、その間にデータ面でさまざまな変化が起こりうる。インフレ率に焦点が当たるのは当然として、FRBは追加利上げの可否を判断する上で他のマクロ指標にも注目するだろう。そういえば…
日付 |
時間 (BST) |
通貨 |
データ |
予想値 |
前回 |
8/1(火) |
3:00pm |
米ドル |
ISM 製造業 PMI |
46.9 |
46.0 |
米ドル |
JOLTS 求人件数 |
9.61M |
9.82M |
||
米ドル |
ISM 製造業物価 |
43.2 |
41.8 |
||
8/2(水) |
1:15pm |
米ドル |
ADP 非農業部門雇用者数 |
195K |
497K |
8/3(木) |
12:00pm |
ポンド |
MPCでのオフィシャルバンクレート投票 |
7-0-2 |
7-0-2 |
ポンド |
金融政策サマリー発表 |
|
|
||
ポンド |
オフィシャルバンクレート決定 |
5.25% |
5.00% |
||
12:30pm |
ポンド |
ベイリー総裁会見 |
|
|
|
1:30pm |
米ドル |
失業保険申請数 |
223K |
221K |
|
3:00pm |
米ドル |
ISM サービス業PMI |
53.0 |
53.9 |
|
8/4(金) |
1:30pm |
米ドル |
平均時給(前月比) |
0.3% |
0.4% |
米ドル |
非農業部門雇用者数 |
200K |
209K |
||
米ドル |
失業率 |
3.6% |
3.6% |
先進国全体で製造業が低調であることから、火曜日はISM製造業景況指数が注目される。水曜はADP民間部門雇用者数、木曜はISMサービス業PMI、そして最大の注目は金曜の非農業部門雇用者数である。
FRBが特に重視するインフレ指標であるコアPCEは(前月比0.5%増と予想を上回った個人消費によって相殺されたものの)やや軟調な結果で、これを受けてドルの強気の勢いは金曜には弱まった。PCEコア・デフレーターは前年比4.2%の予想値に対して前年比4.1%。先週初めに発表された米国の第2四半期GDPは2.4%増と、予想の1.8%増を上回った。また、失業保険申請件数も予想を上回った。
一方、英国では木曜にイングランド銀行の金利決定がある。BOEは25bpの利上げを実施して政策金利を5.25%まで上げると予想されているが、英国のインフレ率は他の主要経済圏よりも非常に高いことから、6月のような50bpのサプライズ利上げが繰り返されるリスクもある。
出典: TradingView.com
英ポンド/米ドルはここ数週間、1.30ドルの節目よりも上を維持するのに苦労している。先週の木曜に急落した際は1.30ドルに届きそうになって大きな弱気ローソク足が出現し、少なくとも一時的には頂点をつけたことを示す明確なシグナルとなった。
木曜日の売りに続き、ポンド/米ドルは先週、6月初旬から続いていた短期的な強気トレンドラインを割り込んだ。
しかし木曜日以降の流れでは下値追いの動きが欠けている。米国の取引時間が深まるにつれて今後売りが強まるだろうか。もしそうでなければ、今週後半に売り手が入ってこないとは限らないものの、弱気筋にとってこのペアでショートを仕掛ける魅力は減るだろう。
明確な無効化ポイントは1.30ドルのすぐ手前にあたる木曜日の高値である。もし価格が再びこの水準を上回れば、弱気バイアスは完全に無効となる。
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