16日の東京早朝を154.90円で迎えると、水曜日の米国4月CPI前後から続く日本円の買戻しの流れが継続、東京仲値にかけて153.60円まで下落。しかしこのレベルで下げ渋ると、その後はじり高の展開となった。
発表された日本1-3月期実質GDPは前期比で▲0.5%と弱い数値であったが、初動の反応は限定的に留まった。だが次第にマーケットで意識されたような印象を受けた。
ロンドン時間に入り米長期金利が小幅に反発する中で、当日の短期的な値動きで意識された154.30円を突破すると、NYの指標前に154.80円手前まで上昇。
21:30に3つの米国経済指標が発表。新規失業保険申請件数は22.2万人と2週連続で大きめの数値。4月新築住宅着工件数、建築許可件数は住宅市場の過熱感が緩やかに収まりつつあることを示唆。5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月比で弱い4.5と、いずれもぱっとしない数値。これを受けて何か大きく投資判断が変わるというインパクトの大きい数値ではなかったこともあり、米長期金利が小幅に反発、ドル円は一段と上昇、155円丁度を突破した。
その後22:15に発表された米国4月鉱工業生産は+0.0%と絶対値としても、前月比でも芳しくない数値であったが、事前予想からの乖離が限定的に留まったこともあり、あまり材料視されず、その後もドル円の上昇は続いた。
NY株式市場オープン後に155.54円を記録したが、ここが当日の高値となり、その後は高値圏で小動き、155.40円でNYクローズ。
なおブルームバーグによればクリーブランド連銀のメスター総裁は「インフレが米金融当局の目標である2%に向かう道筋にあるとの確信を得るには、さらなるデータが必要だ」との見解を示したようであるが、相場への影響は限定的に留まっている。
11:00 中国4月小売売上高
11:00 中国4月鉱工業生産
18:00 ユーロ4月HICP(改定値)
23:00 米国4月景気先行指標
25:00 ロシア4月CPI
①週末を控えたポジション調整の動き。昨日に米国の主要株価指数が過去最高値を更新したことで、週末に向けて利食い売りが優勢になるのであれば、ドル円、クロス円にも下押し圧力が掛かる。ドル円、クロス円の上昇の勢いは強いと感じるが、週末でもあり読みづらい状況と言えそう。
②弱さを見せ始めた米国の景況感。やや弱い4月雇用統計に加えて、新規失業保険申請件数が増加、5月ミシガン大学消費者センチメントが悪化、4月小売が横ばいと、ここにきて米国の経済指標に弱さが見え始めている。こうした指標が続くかどうかが1つの大きな注目点と言える。
③中国4月小売売上高。中国の景気は世界の景気を占ううえで重要。その中でも特に割合の大きい個人消費を測る指標として注目しておきたい。
154.30円を下抜けたものの、反発して戻しており、まだ同レベルでのサポートは有効と判断する。
直近の高値が156.75円であるから、しばらくは154.30円~156.75円のレンジが意識されそうだ。値幅は2.45円しかないので、どちらに抜けてもおかしくはないが、いまのところ上昇圧力が強い状況と言えるだろう。
レジスタンス: 156.75円、160.00円
サポート: 154.30円、152.00円
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