連邦準備制度が行う今週の会合は大きな期待を集めており、まるで杖の一振りで金利、インフレ、経済成長を消したり出したりできる著名なマジシャンのマジックショーのようだ。
現在の見通しではFOMCは25bpの利上げを実施し、フェデラル・ファンド金利を4.50%~4.75%の範囲内とすると予想されている。今回の会合での利率決定は、各中央銀行のこれまでの動きを見るとほとんど既定路線だが、パウエル議長と仲間たちが3月の会合やそれ以降の金利の見通しについて何らかのヒントを出せば、依然として市場が動く可能性はある。
Source: CME FedWatch
マジシャンの課題はインフレ圧力と経済成長の維持の間でバランスを取ることだ。インフレ率はここ最近下がってきてはいるが、FOMCの一部の委員は依然として、物価上昇圧力の強化サイクルに入ってしまうリスクがあると考えている。FOMCは引き続きインフレ率の目標を2%とし、現在のインフレの動向に関する最新情報を声明で発表する。市場はFRBがインフレに関するタカ派的な姿勢を弱めるかどうかに注目するだろう。
金利上昇によって米国経済と世界経済が減速の兆しを見せていることから、経済成長は依然としてFRBの主な懸念事項となっている。最近の声明では、雇用増加のペースが鈍化して個人消費が頭打ちになり、経済活動にブレーキがかかりつつあることが示されていた。FRBは今のペースの経済成長が持続可能かどうか、また追加のサポートが必要かどうかを見極める必要があるだろう。
世界で最も広く取引されているこの通貨ペアは、9月下旬に底を打って以来、(ユーロに対する米ドルの弱さを示しつつ)一定のペースでの値上がり傾向が続いている。下のチャートが示すとおり、上昇トレンドは引き続き健全だ。価格は年間の最高値付近で収束しつつあり、日足RSIは強気相場のゾーンにとどまり、最近の50日間移動平均と200日間移動平均の「ゴールデンクロス」が価格を支えている。
何か衝撃的な展開がない限りは、ユーロ/米ドルが下がるとトレーダーは買いを入れる可能性が高く、FRBの姿勢がECBに比べてハト派的なものであれば、1.0940ドルを超えてここ10か月の高値を更新する可能性も出てくる。
Source: TradingView、StoneX
誰もが思い浮かべている最大の疑問は、FRBのパウエル議長が今回も好調な成績を出せるのか、ということだ。市場は息をつめて見守っており、今回の会合の成果は今年いっぱいの経済の基調を決めるものになるかもしれない。マジシャンはさらに優れたパフォーマンスを見せ、観客をあっと言わせるのか? あるいはボールを取り落とし、市場を混乱に陥れるだろうか?
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