EUR/USDは、米非農業部門雇用者数(NFP)報告の反応が限定的であったことから、高値・安値を切り下げる展開となり、50日移動平均線(1.0967)の上抜けトライに失敗した後、8月安値(1.0766)を試す展開となっている。
EUR/USDは6週間の下落に歯止めがかかったものの、移動平均線が横ばいになりつつあり、市場環境が変化する可能性が警告されている。EUR/USDは2022年11以来の200日移動平均(1.0377)を試しており、今年初旬からの強気トレンドはもはや見られそうにない。
今後を見ると、理事会がもはや金融政策のフォワードガイダンスを示さないため、ラガルドECB総裁に新たな発言があれば、EUR/USDに動きが出るだろう。また市場参加者は、7月の小売売上が1.2%減と予想を下回ったことから、以前にも増してユーロ圏の指標に注目しそうだ。
景気減速の兆しがあることから、「経済活動の弱まりが物価安定の回復に必要な条件を生み出すのに役立つと予想される」として、理事会は利上げサイクルを終了する可能性がある。さらに、「経済はスタグフレーションの段階に入る可能性がある」ことから、ユーロは9月14日のECB会合を前に逆風に直面するかもしれない。
それまではECBの政策をめぐる思惑がEUR/USDに影響するだろう。ECBが「金融引き締めを十分に行わないよりも、金融引き締めをさらに強化する」ことを考えているからだ。しかし、EUR/USDは、高値・安値を切り下げなら下降しているため、8月安値(1.0766)を試す状況にある。
とはいえ、EUR/USDは50日移動平均線 (1.0967)上抜けに失敗したことから、月間レンジになることが注目される。また、この移動平均線がフラットになる中、今年初めからの強気トレンドはもはや見られそうにない。
Chart Prepared by David Song, Strategist; EUR/USD on TradingView
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