読者の皆さんはすでにご存じのとおり、この連休中の大きなニュースは、債務上限をめぐってバイデン大統領とマッカーシー下院議員の交渉チームが合意に達し、明日の投票に向けた道筋をつけたことだ。この合意は、2025年まで債務上限を完全に停止すること、国防以外の支出増に上限を設けること、一部の福祉プログラムに若干の調整を加えることなどが主な事項となっている。
先週のポジティブなうわさから、市場は合意の可能性が高いことをすでに嗅ぎ取っていたことから、米ドルや米株価指数に大きな反応は出ていない。債務上限に関する合意が予想通り議会を通過するとすれば、米国財務省が今後数ヶ月の財源を補うために最大1兆円の新規債券を発行することによる、米国経済に対する「財政的歯止め」の可能性へとトレーダーの関心が移ると思われる。
本稿執筆時にちょうど米国コンファレンスボード消費者信頼感報告書が発表されたところで、総合値は102.3となった。予想値は99.1、前月の値は101.3であったが、市場への影響は今のところほとんど出ていない。
一方、大西洋の反対側では、連休明けは市場を動かすようなヨーロッパの経済データはほとんどない。ただ一つ目を惹くのがスペイン消費者物価指数の速報値で、前年比3.6%の予想値を下回り前年比3.2%となった。しかし経済規模ではユーロ圏第4位となるスペインの状況が、政策や通貨の値動きを左右することはほとんどない。
出典: Tradingview, StoneX
4時間足チャートでは、ユーロ/米ドルは3月下旬の安値である1.0710付近でサポートラインを形成している。このペアは5月いっぱいにわたって下降ウェッジパターンの内部で下落を続けていたが、今日のサポートラインからの強気の動きはこのパターンからのブレイクアウトの可能性を示唆している。ユーロ/米ドルの終値が現在の水準付近かそれより高くなれば、ここから値上がりが続く可能性が高いというシグナルになり、過去のサポートおよびレジスタンスラインであった1.0830ドル近辺に向けた上昇の余地がある。
一方、夜間の安値である1.0680ドル近辺を割り込むと、下降ウェッジパターンからのブレイクアウトは無効となり、その下の1.0600ドルに向かう値動きが示唆される。
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