カナダの第4四半期年率換算GDPは予想を大きく下回る0%となった。予想は+1.5%、第3四半期の値は+2.3%。 今回の数値は2021年第2四半期以来の最低値となる。 GDP価格デフレーターも引き続き下落しており、予想値の-0.8%、前期の-1.2%に対して今期は-0.7%となっている。 とはいえ、カナダの全てのデータがそこまで悪いわけではない。 1月のGDP速報値は、予想値の-0.1%、12月の-0.1%に対して+0.3%となっている。 カナダ銀行はこれまでの利上げの累積的影響が経済に与える影響を吟味するため、利上げの一旦停止を公表していることを思い出しておこう。 GDP価格デフレーターの下落は利上げの効果が出ていることを示しており、BoCにとっては満足のいくものになるはずだ。 カナダ銀行は3月8日に会合を予定しており、すでに述べた通り利上げは一旦停止され政策金利は変わらないと見込まれている。 とはいえカナダ中銀は今後も量的引き締めを続ける意向を示している。
第4四半期のGDPデータから、カナダドルの価格は下落した。 一方、今日公表されたスペインとフランスからの高インフレデータからユーロでは買いが広がっている。(英文のみ)結果としてユーロ/カナダドルが値上がりしつつある。 この通貨ペアは2022年8月25日に1.2877ドルで安値を付けた後、逆三尊パターンを形成していた。 その後は大きく値上がりし、1月には当時のレジスタンスラインとなっていた1.4661ドルを試した後、 値を戻して1.4235ドルのサポートラインを維持しつつ、現在は50日間移動平均の1.4436ドル付近で取引されている。
出典: Tradingview、Stone X
ユーロ/カナダドルは50日間移動平均で取引されているというだけではなく、240分足を見ると、上向きの三角形の内側にある以前のレジスタンスラインで取引されているのがわかる。 この三角形と移動平均を超えて値上がりした場合、次のレジスタンスラインは1月の高値と過去のレジスタンスラインが合流する1.4627ドル~1.4661ドル付近だ。 その上では心理的にキリの良いレジスタンスレラインである1.5000ドル、さらに上では2021年9月の高値である1.5098ドルまで上がる可能性がある(日足を参照)。 しかしもしユーロ/カナダドルが値下がりした場合、最初のサポートラインは三角形を形成する上向きのトレンドライン上の1.4334ドル。その下は1月6日の安値にあたる1.4235ドルだ。 そこを割り込むと、次のサポートラインは2022年初頭からの1.4100ドルとなる(日足を参照)。
出典: Tradingview、Stone X
カナダのGDPは予想を大きく下回ったものの、GDP価格デフレーターも下落したことから、カナダ銀行が3月の会合で利上げを一旦停止する公算は高まっている。 とはいえ1月のGDP速報値は堅調で、カナダではインフレのソフトランディングへの希望が見えている。 欧州のCPIが予想を上回り、カナダの価格デフレーターが下落したことから、ユーロ/カナダドルはレジスタンスラインに向けて値上がりしている。レジスタンスラインを抜ければさらに高騰するかもしれない。
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