ポンド/米ドルは、今月初めからの下落幅を拡大し、8月の安値(1.2548ドル)を下抜けした。徐々に三尊パターンを形成しつつ、6の月安値(1.2369ドル)を試す可能性がある。
ポンド/米ドルは、今週の初めから高値・安値ともに一段と下げてきており、月の安値を更新した。(1.2446ドル)。また50日間移動平均 (1.2764ドル)が正の傾斜を示さなくなったことから、トレンドの変化が起きている可能性がある。
その結果、ポンド/米ドルがさらに下落すると、相対力指数(RSI)が今年初めて30を切り、売られ過ぎの領域に突入する可能性がある。また今後英国から発表される経済データも、雇用の縮小が見込まれていることから、英ポンドの価格を支えることはほとんどないと思われる。
英国雇用者数が2か月連続で縮小したことで、経済成長の見通しが弱まり、英ポンドには逆風が吹く可能性がある。またイングランド銀行(BOE)は「市場予想としては銀行金利のピークは6%強程度にとどまる」としており、景気減速の兆候から金利引き上げに対する反対意見が強まる可能性もある。
結果としてBOEは9月21日の次回会合で「現在の金融政策スタンスは制限的だった」としてフォワードガイダンスを調整する可能性があるものの、英国の雇用が回復すれば、「中期的にはインフレ率を2%の目標に持続的に戻すため、十分な期間にわたり十分に制限的な銀行金利を確保する」という計画から、金融政策委員会(MPC)がさらなる利上げサイクルに乗り出す可能性も考えられる。
それまでは英米両国の金融政策をめぐる思惑がポンド/米ドルを左右するかもしれない。米連邦準備制度理事会(FRB)も利上げ実施の可能性を否定していないためだ。9月のオープニングレンジとしては、今週初めからの高値と安値がともに下がり続けているため、一段と下落する可能性が高まっている。
上記を踏まえ、三尊パターンが形成されつつあるように見えることから、ポンド/米ドルは6月の安値(1.2369ドル)からの上昇を今後も戻し続ける可能性がある。為替レートがさらに下落すれば、相対力指数(RSI)が30に向けて低下し、今年初めて売られ過ぎの領域に入る可能性も考えられる。
ストラテジスト、David Songによる。 TradingViewのポンド/米ドル
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