私の同僚であるFawad Razaqzadaが先日述べていたように、英国の大きなイベントは明日のイングランド銀行(BoE)の会合だ。「BOEは25bpの利上げを実施して政策金利を5.25%にすると予想されているが、6月の50bpのサプライズ利上げが繰り返されるリスクもある。英国のインフレ率は他の経済圏に比べると非常に高いためだ。」
実際、トレーダーはアンドリュー・ベイリー総裁らが50bpsの利上げを実施する可能性を40%程度と見積もっており、BoEがどのような決定を下すにしろかなりの数のトレーダーは予想を外すことになるので、英国資産のボラティリティは高まることになる。
金利決定の他にも、トレーダーはBoEによる景気の見立てと、金融政策の今後の方向性についての最新の情報に注目している。トレーダーは現在、2024年第1四半期のBoE政策金利のピークを5.8%近辺と見積もっていることから、先週のFRBやECBのようにBoEが「データを見つつ判断する」という路線に寄っていくというシグナルがあれば、将来の利上げへの期待は抑制され、ポンドは特に大きな打撃を受ける可能性がある。
英国から少し離れたところでは、金曜に発表される米国の非農業部門雇用者数もポンド/米ドルにボラティリティをもたらす可能性がある。トレーダーやエコノミストたちは、今月の雇用者数も引き続き20万人近くを維持し、平均時給は前月の0.4%から前月比0.3%に減速すると予想している。今朝発表されたADPの雇用統計では、新規雇用者数は32万4,000人となっており、これは歴史的には必ずしも信頼性の高い先行指標とは言えないものの、米国の労働市場が依然として堅調であることを示唆している。
出典: TradingView, StoneX
上記のポンド/米ドルのチャートを見ると、「ケーブル」と呼ばれるこの通貨ペアはBoE会合を前に大きなブレイクダウンに向かいつつある。利回りの急上昇と好調なADP報告を背景にドルが上昇する中、ポンド/米ドルは50日間移動平均線と1.2750ドル付近の強気トレンドラインのサポートをじりじりと割り込みつつある。純粋にテクニカルな観点からは、3~7月期の上昇の38.2%のフィボナッチリトレースメントにあたる1.2630ドルに向けてさらに下落を続ける可能性があり、200日間移動平均線と50%のリトレースメントの合流点である1.2500ドルの下が次の注目ターゲットとなる。
もちろん、BOE会合(およびNFPの発表)によってこのペアの値動きは狭い範囲で反転する可能性があることから、強気筋としては今日の値動きが単なる「フェイクアウト」であり、最終的には50日間移動平均線を奪回して、1.30ドル付近の先週の高値に向かうのを期待するところだろう。いずれにせよ、週の終わりごろにはポンド/米ドルのトレーダーはもっとはっきりした見通しを持てるはずだ。
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