時には基本に立ち返ると良いことがある。
中央銀行の決定は通貨価値変動の主な要因のひとつであり、世界各国の中央銀行は雇用とインフレという2つの主な経済指標に焦点を当てる。ポンドとイングランド銀行(BOE)の場合、今週は英国の雇用者数が予想に反して9万7000人の増加を見せ(合わせて賃金は前年比8.2%増と驚くほどに高騰している)、消費者インフレ率指標であるCPIは前年比6.8%増と予想の6.7%増を上回ったことがわかった。
論理的に、これは来月のBOEの政策会合への見通しに影響を与えており、トレーダーは現在、25bpの利上げの可能性を100%、さらに現在進行中のインフレと戦うためのいわば「バズーカ」となる50bpの利上げの可能性(25%)までも織り込んでいる。さらにFXトレーダーにとって重要なのは、上記の事情から週の前半にかけてポンドは米ドルに対して比較的堅調に推移しており、米ドルでプルバックが起こっている今、ポンド/米ドルは今月に入って以来最も高い水準にまで上昇しているということだ。
雇用統計やインフレ統計ほど目を惹く指標ではないものの、ポンド/米ドルトレーダーが次に注目すべき経済指標は、明日発表される英国の7月小売売上高だ。こちらは前月比0.6%減と予想されている。
出典:TradingView、StoneX
上のチャートが示すように、今週初め、ポンド/米ドルは38.2%のフィボナッチリトレースメントと上昇する100日間移動平均が合流する1.2625ドル付近の重要な中期的サポートラインを試しており、今日の取引では短期的な弱気チャネルをブレイクする恐れが出てきた。
過去2週間にわたって1.2800ドル付近が短期的なレジスタンスラインとなっていたが、英国小売売上高が予想を上回れば、ポンド/米ドルはこのレジスタンスレベルをクリアし、来週に向けて長期的な上昇トレンドを再開する可能性がある。このエリアを超えると、重要な心理的水準と7月下旬の高値にあたる1.30ドル付近まで、レジスタンスラインはほとんどない。
一方で、今日大規模な反転が見られれば、短期的な見方が中立に戻る可能性もあるが、1.2625ドルの主要サポートエリアより上での値動きが続く限りは、長期的な上昇トレンドは維持されるだろう。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。