カナダ銀行は今日、市場の予想通りに25bpの利上げを実施し、翌日物金利を4.50%とした。 それに加えて「政策委員会はこれまでの利上げの累積による影響を検討する間、政策金利を現在のレベルに据え置くことを見込んでいる」とも表明した。とはいえカナダ銀行は、インフレ率を目標値である2%に戻すために必要であれば政策金利を上げる準備もあるとしており、さらに量的引き締めを今後も続ける方針だ。利上げの発表に続く記者会見でマックレム総裁はこの表明を繰り返し、カナダ銀行はこれまで急ピッチで利上げを続けてきたため、いったん停止してこの金融政策が十分な引き締めになっているかどうかを見極める時だと述べた。とはいえ今後の利上げの道を完全に閉ざしたわけではなく、2%のインフレ目標に向けて必要であれば実施するとしている。
トレーダーたちは実際の25bp、4.5%への利上げよりもむしろ利上げの一旦停止の見通しを重視し、米ドル/カナダドルでは利上げの発表後すぐに買いの動きが広がった。 カナダ銀行のハト派的な表明への反応から、この通貨ペアは1.3364ドルから1.3427ドルまで値上がりした。
Source: Tradingview、Stone X
カナダ銀行の声明発表後、米ドル/カナダドルは60ピップスの急騰を見せたものの、全体としては比較的上値の重い展開が続いている。 240分足を見ると、1月19日の安値である1.3448ドルのレジスタンスラインにさえ届いていない。もしこのラインを抜けることがあれば、米ドル/カナダドルは1月18日の高値である1.3521ドルまで値上がりする可能性がある。 そこに到達すれば、さらに2022年12月16日の高値である1.3705ドルまで上がる可能性も視野に入ってくるだろう。 ガイダンスとしては、これは2022年10月13日の高値から2022年11月15日の安値までの61.8%のフィボナッチリトレースメントの近辺でもある。 一方、最初のサポートラインは今日の安値である1.3340ドル。 そこを割ると、2022年11月15日の安値である1.3224ドルまで下落する可能性がある。 その水準の下では、心理的にキリの良いサポートレベルである1.3000ドルまで値下がりする可能性が出てくる。
Source: Tradingview、Stone X
カナダのハト派的姿勢にもかかわらず、米ドル/カナダドルの最近の値下がりのトレンドは続くのだろうか? カナダ銀行の政策決定からのガイダンスに応じた値動きが見られなければ、米ドル/カナダドルは2月1日のFOMC会合まで「様子見モード」に入るかもしれない。
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