円高
ドル円は小幅に下落。1ドル=154.78円からスタートすると、週初はトランプ米大統領がメキシコ、カナダ、中国に追加関税を課す大統領令に署名したことを受けドル買い優勢、東京仲値にかけて上昇し当日の高値である155.89円を記録した。しかし次第にリスク資産が売られる展開になると上値が重くなり155円丁度を割り込んだ。なおカナダとメキシコへの関税賦課は土壇場で1ヶ月延長になったものの、中国に対しては関税が賦課された。その後、水曜日に日本12月毎月勤労統計調査が発表され、それぞれ前年同月比で、名目賃金が+4.8%、実質賃金が+0.6%と予想を大きく上回る結果、発表後に154円丁度を割り込むと、ロンドン時間に153円丁度を割り込んだ。木曜日には日銀のタカ派な姿勢が意識され152円丁度を割り込むと、投機的な売りが強まり金曜日には150.93円を記録した。その後に発表された米国1月雇用統計がしっかりした内容であったことから下げ止まり151.42円で週末を迎えている。
ユーロは上昇。米国の関税政策を受けてギャップダウン、1ユーロ=1.0235ドルからスタートすると、週初は上値重く推移し1.0212の安値を記録。ただこのレベルで持ちこたえると、カナダとメキシコへの関税賦課が1ヶ月延長されたことをうけて、ユーロ圏への関税政策に対する懸念も多少は和らいだのか1.03台を回復。火曜日に発表された米国1月JOLTS求人件数が低下していたこともありその後もユーロは買い戻され水曜日に1.0442の高値を記録。ただその後はトランプ米大統領の政策を嫌気したかリスクオフ相場が続き、日本円の買いが強まるなかでユーロは下落、1.0327でクローズ。
ドル安、人民元高。米国の関税賦課方針を受けてギャップアップ、1ドル=7.3625人民元からスタートすると、7.37で上値を抑えられて、その後は人民元の買い戻しが優勢なった。火曜日には先週末の水準である7.32レベルを回復すると、やや弱い米国1月JOLTS求人件数などの結果をうけてドル売りが強まり水曜日に7.2689の安値を記録。その後もドルの上値が重い展開が続いたが、金曜日に発表された米国1月雇用統計がしっかりした内容で7.3037まで買い戻されて週末を迎えている。
僅かにドル買いが多い(99/196ヵ国)
クロス円は軒並み下落
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週の注目は米国の貿易(関税)政策と、米国1月物価指数(CPI&PPI)。
マーケットのドル売り圧力は強い状況にあるが、米国の重要指標は底堅さを感じられる内容であったため、この綱引きでどちらが強いのか?ということが今週の相場に反映されるだろう。
想定レンジ:150.00~153.50
先週は日本円の買い戻しが非常に強い相場であったため、その勢いを今週どこまで引き継ぐのかがポイント。また1ドル150円という心理的節目も近づいてきているため、そのレベルでの攻防となる場合には注目して見守りたい。
想定レンジ:EUR/USD 1.0190~1.0430
ユーロを積極的に買う材料が確認できていないため、ドルが底堅く推移するなら、素直にユーロ売りに傾きやすいだろう。
想定レンジ:USD/CNH 7.24~7.40
ユーロ同様、人民元を積極的に買う材料がないため、ドル高が続くのであれば、それを素直に反映しやすい通貨ペアだろう。7.37が注目のチャートポイント。
10日
08:50 日本12月国際収支
14:00 日本1月景気ウオッチャー調査
16:00 ノルウェー1月CPI
11日
日本祝日
08:30 オーストラリア2月ウエストパック消費者信頼感指数
09:01 英国1月BRC小売売上高調査
16:00 ノルウェー10-12月期四半期国内総生産(GDP)(前期比)
21:00 ブラジル1月IPCA
12日
08:50 日本1月マネーストックM2
19:30 インド1月CPI
21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
22:30 米国1月CPI
28:00 米国1月月次財政収支
13日
08:50 日本1月国内企業物価指数
09:01 英国1月RICS住宅価格指数
16:00 ドイツ1月CPI(改定値)
16:00 英国12月月次GDP
16:00 英国10-12月期(GDP、速報値)
16:00 英国12月鉱工業生産
16:00 英国12月製造業生産指数
16:00 英国12月商品貿易収支
16:00 英国12月貿易収支
16:30 スイス1月CPI
19:00 ユーロ圏12月鉱工業生産
22:30 米国1月PPI
22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
14日
08:50 日本前週分対外対内証券売買契約等の状況
19:00 ユーロ圏10-12月期(GDP、改定値)
19:30 ロシア中銀、金融政策決定会合
22:30 米国1月小売売上高
22:30 米国1月輸入物価指数
22:30 米国1月輸出物価指数
23:15 米国1月鉱工業生産
23:15 米国1月設備稼働率
24:00 米国12月企業在庫
25:00 ロシア1月CPI
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