円安が進行
ドル円は大きく上昇。1ドル=150.00円からスタートすると、週初こそ149.69円まで下押したものの、その後に「中国共産党が政治局会議にて2025年に金融緩和と財政支出の拡大を進める方針を示した」と伝わりリスクオンムードが広がった。また日銀が12月会合において政策を据え置くといった思惑が広がったこともあり月曜日に151円台まで上昇、火曜日には152円まで値を切り上げた。水曜日には上昇の勢いが和らぎ151円丁度付近まで値を戻したが、その後にブルームバーグが「日本銀行は追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している。」とした意見を関係者談として伝えたことで急騰、152.80円を記録した。木曜日は一旦は利食い売り優勢となったものの、金曜日に米国11月の物価指数を確認すると米長期金利が上昇へと転じるなか、ドル高主導で153.80円を記録したのち、153.70円で週末を迎えた。
ユーロは下落。1ユーロ=1.0562ドルからスタートすると、週初はユーロの買い戻しが優勢で1.0595まで上昇。ただその後は米長期金利が上昇へと転じる中で、ユーロはじり安の展開となった。水曜日に発表された米国11月CPI(消費者物価)で根強いインフレ圧力が確認されるとユーロ売りは強まり、1.05丁度を割り込む時間帯が長くなった。木曜日には米国11月PPIで川上のインフレ圧力の強さが確認されるとドルは買われ、ユーロは売られた。金曜日に1.0453の安値を記録したのち、1.0503まで値を戻してクローズ。
概ね横ばい推移。1ドル=7.2819人民元からスタートすると、週初に7.2926まで上値を試したが、その後に「中国共産党が政治局会議にて2025年に金融緩和と財政支出の拡大を進める方針を示した」と伝わると人民元の買い戻しが優勢となり、火曜日のアジア時間に7.2420までドル安、人民元高が進んだ。ただその後は水曜日に発表された米国11月CPI、木曜日に発表された米国11月PPIをうけて米長期金利が上昇するなかドル買いが優勢となり、再び7.29台までドルが買い戻されたのち、7.2796で週末を迎えた。
ドル買いが優勢(118/196ヵ国)
クロス円は軒並み上昇
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週はFOMCを控えており、0.25%の利下げに加えて、今後の利下げペースの減速をどこまで示唆するかが注目点となる。
日本円、ユーロ、人民元はそれぞれ個別の要因で動き始めている。引き続き指標がしっかりしている米ドルが大崩れはしにくいという前提で、各通貨毎、個別に見ておくのが良い。
想定レンジ:152.00~155.50
今週は木曜日に日銀会合を控えており、政策据え置きの観測が広がっており、円安が進んでいる状況。ただ決定事項ではないため、特に会合におけるリスク管理は徹底しておきたい。
目線:EUR/USD やや下
想定レンジ:EUR/USD 1.0350~1.0650
ユーロ圏の軟調な経済、ロシア、ウクライナ情勢への懸念もあり、積極的なユーロ買いは入りづらいだろう。ドルに振らされる展開にはなると思うが、ドルが崩れにくいという見地に立てば、上値は重くなるだろう。
想定レンジ:USD/CNH 7.20~7.40
中国はマクロ経済対策を強化する方針であるが、それだけではきつい。本格的な成長回帰のためには対外開放、規制緩和、現体制からの脱却が必要であり、難しい時期が続く。人民元の国際決済比率が低下していることもあり、人民元安で見ておいた方が無難だろう。
16日
南ア祝日
08:50 日本10月機械受注
11:00 中国11月小売売上高
11:00 中国11月鉱工業生産
13:30 日本10月第三次産業活動指数
17:10 ユーロ圏ラガルドECB総裁、発言
17:15 フランス12月PMI
17:30 ドイツ12月PMI
18:00 ユーロ圏PMI
18:30 英国12月PMI
22:30 12月ニューヨーク連銀製造業景気指数
23:45 米国12月PMI
17日
08:30 オーストラリア12月ウエストパック消費者信頼感指数
16:00 英国11月失業保険申請件数
16:00 英国11月失業率
16:00 英国10月失業率(ILO方式)
18:00 ドイツ12月IFO企業景況感指数
19:00 ドイツ12月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏12月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏10月貿易収支
22:30 カナダ11月CPI
22:30 米国11月小売売上高
23:15 米国11月鉱工業生産
23:15 米国11月設備稼働率
24:00 米国10月企業在庫
24:00 米国12月NAHB住宅市場指数
18日
06:45 ニュージーランド7-9月期四半期経常収支
08:50 日本11月貿易統計
16:00 英国11月CPI
16:00 英国11月小売物価指数
19:00 ユーロ圏11月HICP(改定値)
19:00 ユーロ圏10月建設支出
21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
22:30 米国7-9月期四半期経常収支
22:30 米国11月住宅着工件数
22:30 米国11月建設許可件数
28:00 FOMC、終了後政策金利発表
28:30 パウエルFRB議長、定例記者会見
19日
06:45 ニュージーランド7-9月期GDP
08:50 日本前週分対外対内証券売買契約等の状況
正午頃 日銀金融政策決定会合
15:30 植田日銀総裁、定例記者会見
16:00 ドイツ1月GFK消費者信頼感調査
16:45 フランス12月企業景況感指数
17:30 スウェーデン中銀、金融政策決定会合
18:00 ノルウェー中銀、金融政策決定会合
18:00 ユーロ圏10月経常収支
21:00 英中銀(BOE)、金融政策決定会合
21:00 英国英中銀金融政策委員会、議事要旨
22:30 米国7-9月期GDP(確定値)
22:30 米国7-9月期GDP個人消費(確定値)
22:30 米国7-9月期コアPCE(確定値)
22:30 米国12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
24:00 米国11月景気先行指標総合指数
24:00 米国11月中古住宅販売件数
28:00 メキシコ中銀、金融政策決定会合
30:00 米国10月対米証券投資
20日
08:30 日本11月全国CPI
16:00 英国11月小売売上高
16:00 ドイツ11月PPI
16:45 フランス11月PPI
17:30 香港11月CPI
19:30 ロシア中銀、金融政策決定会合
22:30 米国11月個人所得
22:30 米国11月個人消費支出(PCEデフレーター)
24:00 ユーロ圏12月消費者信頼感 24:00 米国12月ミシガン大学消費者態度指数(確報値)
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