小幅にドル高
ドル円は上昇。1ドル=149.75円からスタートすると、GPIFが次期運用目標を0.2%引き上げ、1.9%に引き上げる案が提示されると、この発表が株式市場に安心感を与え、ドル円も150.75円まで上昇した。ただその後は米債に買いが入り、米長期金利が低下する中でドル売りが強まり週初の水準を割り込むと、火曜日には韓国の尹錫悦大統領が、野党が弾劾により政権を無効化しようとしていると非難し「非常戒厳」を宣言したことからリスクオフ、ドル円は今週安値となる148.64円まで下落した。その後は米国10月JOLTS求人件数が反発していたことや、パウエルFRB議長がより慎重な利下げシナリオを示唆したことでドル買い戻しが優勢となり151.15円まで反発。しかし上値は重く、週末にかけては米長期金利が低下、ドル売りが優勢で、米国11月雇用統計を無難な結果でこなしながら150.03円で週末を迎えた。
ユーロは下落。1ユーロ=1.0577ドルからスタートすると、週初はフランス予算協議が難航しユーロ売りが優勢、月曜日のNY時間に今週の安値となる1.0460を記録。その後も同協議が意識され上値の重い展開が続いた。5日木曜日早朝にフランス国民議会は、バルニエ首相率いる内閣への不信任決議案を賛成多数で可決、ここからユーロの買い戻しが優勢となった。米長期金利が低下したことも追い風となり、意識されていた上値抵抗の1.0520レベルをクリアに上抜けると、米国11月雇用統計発表の初動で1.0631の今週高値を記録。週末にかけては再び売りが優勢で1.0568でクローズ。
ドル高、人民元安。1ドル=7.2524人民元からスタートすると、週初はGPIFに関する報道を受けて円安、人民元安の展開、7.29レベルまで人民元の売りが進んだ。翌火曜日の人民元基準値(東京仲値に相当)発表のタイミングで7.3154の人民元安値を記録。しかし同日の基準値が当局の意図を反映する形で7.1996とドル安、人民元高水準で決定、市場で介入が意識され次第にオフショア実勢相場(USD/CNH)も人民元の買い戻しが優勢となった。結局週末の雇用統計発表のタイミングで7.2556まで下落したのち、7.2832まで反発して週末を迎えている。
ドル買いが優勢(122/196ヵ国)
クロス円は通貨によってまちまち
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週は水曜日の米国11月CPIに注目。インフレが急低下していることは想定しづらいが、高い注目が集まるためリスク管理を徹底しておきたい。
ドルが安定して推移していることから、日本円、ユーロ、人民元など個別の要因を確認してそれぞれの通貨毎に戦略を立てておくのが良いだろう。
想定レンジ:147.80~151.70
150円丁度を挟んで安定した推移が続いている。鍵は物価上昇、円金利上昇が続くかどうかで、特に日本の物価動向を丁寧に追っておきたい。
想定レンジ:EUR/USD 1.0400~1.0680
ロシア、ウクライナ情勢への懸念もあり、積極的なユーロ買いは入りづらいのではないだろうか。今週はECB会合を控えており、利下げが想定されているがそれは織り込まれているため、それ以上のサプライズがあるかどうかが焦点となる。
想定レンジ:USD/CNH 7.22~7.37
中国の広範な景気刺激策発表に端を発した人民元の買い圧力は見る影もなくマーケットで消化された印象。人民元の国際決済比率が低下していることもあり、人民元を強気で見ない方が無難だろう。
9日
衆参両院で加藤財務相が演説
08:50 日本7-9月期GDP(改定値)
08:50 日本10月国際収支
10:30 中国11月CPI
10:30 中国11月PPI
14:00 日本11月景気ウオッチャー調査
21:00 メキシコ11月CPI
24:00 米国10月卸売売上高
10日
中国11月貿易収支
08:50 日本11月マネーストックM2
12:30 オーストラリア中銀(RBA)、金融政策決定会合
16:00 ノルウェー11月CPI
16:00 ドイツ11月CPI(改定値)
21:00 ブラジル11月IPCA
22:30 米国7-9月期非農業部門労働生産性(改定値)
11日
08:50 日本10-12月期四半期法人企業景気予測調査・大企業全産業業況判断指数(BSI)
08:50 日本10-12月期四半期法人企業景気予測調査・大企業製造業業況判断指数(BSI)
08:50 日本11月国内企業物価指数
17:00 南ア11月CPI
21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
22:30 米国11月CPI
23:45 カナダ中銀(BOC)、金融政策決定会合
25:00 ロシア11月CPI
28:00 米国11月月次財政収支
30:30 ブラジル中銀、金融政策決定会合
12日
メキシコ祝日
08:50 日本前週分対外対内証券売買契約等の状況
09:01 英国11月RICS住宅価格指数
09:30 オーストラリア11月新規雇用者数
16:00 英国10月月次GDP
16:00 英国10月鉱工業生産
16:00 英国10月製造業生産指数
16:00 英国10月商品貿易収支
16:00 英国10月貿易収支
17:30 スイス国立銀行政策金利
19:30 インド11月CPI
22:15 ECB、金融政策決定会合
22:30 米国11月PPI
22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
22:45 ラガルドECB総裁、定例記者会見
13日
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業先行き
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業非製造業業況判断
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業非製造業先行き
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業全産業設備投資(前年度比)
09:01 英国12月GFK消費者信頼感調査
13:30 日本10月鉱工業生産(確報値)
13:30 日本10月設備稼働率
16:45 フランス11月CPI(改定値)
19:00 ユーロ圏10月鉱工業生産
22:30 米国11月輸入物価指数
22:30 米国11月輸出物価指数
25:00 ロシア7-9月期実質GDP(改定値)
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。