ドル高、円高の展開
ドル円は先週末比で下落。週明けのシドニー時間から、共和党候補トランプ前大統領の返り咲きを見込んだ「トランプトレード」の巻き戻しが進み、ドル円は先週末の終値153.00円から大きく値を下げた152.28円で寄り付くと、米大統領選挙の開票まで上値の重い展開が続いた。水曜日の東京株式市場オープン後に一時151.29円を記録したが、その後は次第にトランプ氏が優勢の結果が明らかになり、円安、ドル高が優勢、一気に154円台まで上昇した。木曜日の東京時間に154.72円まで上値を伸ばしたが、三村財務官が「投機的な動向も含め、極めて高い緊張感を持って注視する」と発言したことでその後は日本円の買い戻しが優勢となった。同日NY時間のFOMCは大方の予想通り政策金利を0.25%引き下げ4.50-4.75%に設定、ただし相場への影響は限定的に留まった。週末に掛けては日本の長期金利が1.0%台まで上昇する中で日本円の買い戻しが強まり152.63円まで値を下げてクローズ。
ユーロは大きく下落。ユーロは先週末の終値1.0834から、1.0883までギャップアップして寄り付くと、米大統領選挙の開票までじり高の展開で1.0938まで上昇。水曜日に大統領選挙におけるトランプ氏、および上下院議会選挙における共和党がそれぞれ優勢となり、ドル買い、ユーロ売りが強まり、NY時間にかけて1.0682の今週安値を記録。その後は木曜日のNY時間に1.08台まで値を戻す局面もあったが、ユーロ売り圧力は根強く、週末にかけて1.0718まで値を下げてクローズ。
ドル高、人民元安。ドル人民元は先週末の終値7.1390から7.1111までギャップダウンして寄り付き。その後もドル売り圧力が強く7.0868まで値を下げた。水曜日に大統領選挙におけるトランプ氏、および上下院議会選挙における共和党がそれぞれ優勢となるなかでドル買いが強まり、NY時間に7.20台まで上昇。木曜日の人民元基準値(東京仲値に相当)決定のタイミングで7.2132まで上値を伸ばした。その後は7.15レベルまで下落したものの、週末にかけて再びドル買い人民元売り優勢の展開となり7.2011まで値を戻してクローズ。
ドル買いが優勢(147/196ヵ国)
クロス円は通貨によってまちまち
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
トランプトレード(ドル高・株高)が継続するか?米景気がしっかりしているということがベースにあると思うが、利下げ局面において本当にこのままドル高が進むのかがまずは一番の注目点となる。
2点目は1.0%台を記録した日本の長期金利動向。米金利に引きずられているものと見ているが、先週末の日本円の買い戻し材料となっており、週明け注目しておきたい。
想定レンジ:151.50~154.50
先週のような大相場にはならないという見方。月曜日の特別国会召集で第二次石破内閣が発足すると見られるが、これは波乱可能性を含むイベントとして認識しておきたい。
想定レンジ:EUR/USD 1.0570~1.0830
ドル次第になると思うが、ユーロを積極的に買う材料に乏しいように思うので、やや下に見ておいた方が無難か。
想定レンジ:USD/CNH 7.10~7.37
中国の広範な景気刺激策発表に端を発した人民元の買い圧力は徐々に和らいできている印象。ドル買いの展開になれば素直にドル高方向に振れやすい通貨ペアだろう。
11日
米国、カナダ祝日
特別国会召集
08:50 日本9月国際収支
14:00 日本10月景気ウオッチャー調査
16:00 ノルウェー10月CPI
12日
08:30 オーストラリア11月ウエストパック消費者信頼感指数
08:50 日本10月マネーストックM2
16:00 ドイツ10月CPI(改定値)
16:00 英国10月失業保険申請件数
16:00 英国10月失業率
16:00 英国9月失業率(ILO方式)
19:00 ドイツ11月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏11月ZEW景況感調査
21:00 インド10月CPI
13日
08:50 日本10月国内企業物価指数
19:00 ユーロ圏9月鉱工業生産
21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
22:30 米国10月CPI
25:00 ロシア7-9月期実質GDP
25:00 ロシア10月CPI
28:00 米国10月月次財政収支
14日
08:50 日本前週分対外対内証券売買契約等の状況
09:01 英国10月RICS住宅価格指数
09:30 オーストラリア10月新規雇用者数
16:00 スウェーデン10月CPI
16:00 英国7-9月期GDP
16:00 英国9月月次GDP
16:00 英国9月鉱工業生産
16:00 英国9月製造業生産指数
16:00 英国9月商品貿易収支
16:00 英国9月貿易収支
19:00 ユーロ圏7-9月期GDP(改定値)
22:30 米国10月PPI
22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
28:00 メキシコ中銀、金融政策決定会合
15日
08:50 日本7-9月期GDP
11:00 中国10月小売売上高
11:00 中国10月鉱工業生産
13:30 日本9月設備稼働率
13:30 日本9月第三次産業活動指数
22:30 米国10月小売売上高
22:30 米国11月ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:30 米国10月輸入物価指数
22:30 米国10月輸出物価指数
23:15 米国10月鉱工業生産
23:15 米国10月設備稼働率
24:00 米国9月企業在庫
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