10日の日経平均株価は上昇、前日比+102.93円、+0.26%となる39,380.89円で大引け。
堅調な米国株式市場の動向をうけて日経平均株価は時間外で上昇、前日の終値より298円高い39,576円で寄り付き。
序盤に39,617円まで上昇したが、このレベルでは利食い売りが優勢。39,386円まで値を下げて前場クローズ。後場に入ると一時39,282円まで下落したのち、39,300円台での推移が続き、39,381円で大引け。
NY時間に米国9月CPIを控えて積極的な売買は手控えられた印象。また中国株式市場に落ち着きが見られたこともあり、日経平均株価も安定した推移が続いた。
長期金利の上昇をうけて銀行が底堅い動きを示しているほか、自動車、商社など大企業が堅調。また円安が進んだことで輸出を手掛ける産業用機械メーカーも軒並み上昇している。個別の大型株ではファーストリテイリングが+57.7円と好調だった。一方でソフトバンクグループが▲68.1円、アドバンテストが▲26.6円、東京エレクトロンが▲25.2円と半導体に弱さが見られた。
※上記数値は日経平均株価への寄与度
なお日経平均株価CFDは今朝7:00頃に39,390円で取引されており本日の東京株式市場は前日の終値とおおむね同水準でオープンしそうな状況となっている。
10日の米国株式市場はやや軟調に推移。
21:30に発表された米9月CPI(消費者物価)は前年同月比で総合が+2.4%、コアが+3.3%と事前予想を上振れ。特にコアは前月公表の数値よりも高く、引き続き強いインフレ圧力が確認された。一方で同時刻に発表された新規失業保険申請件数は25.8万件と大きい数値で、労働市場の緩みを感じさせる内容となった。これらの指標が米金利に与える影響は逆であり、市場はしばしリスクオフ、その後も気の迷いを見せ上下動を繰り返した。なお、新規失業保険申請件数の内容にはハリケーンや航空機大手ボーイングの一時解雇の影響も含まれていると見られる。
SP500指数は前日の終値より14ドル安い5,778ドルで寄り付き。NY午前は買いが優勢で5,789ドルまで上昇。NY午後の序盤に5,795ドルの当日高値を記録。だがその後にウォ―ルストリートジャーナル紙が米アトランタ連銀のボスティック総裁のコメントとして「11月のFOMC会合では経済見通し次第で政策金利の据え置き、もしくは0.25ポイント引き下げにオープン」と伝えたようで米長期金利が上昇、SP500指数は反落し5,765ドルを記録する場面も見られた。その後引けにかけては緩やかに買い戻され5,781ドルでクローズ。
なおブルームバーグによれば、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、シカゴ連銀のグールズビー総裁はインフレが今後も減速していくことに自信を示した一方で、リッチモンド連銀のバーキン総裁はインフレ上昇圧力を強め得る潜在的リスクを示すなど、地区連銀総裁の間でインフレに対する見方が異なっていることが確認された。
当日は長期金利の上昇をうけて不動産が▲0.89%と軟調な推移。通信サービスが▲0.61%、生活必需品が▲0.54%と続いた。一方で原油WTI先物が上昇したことからエネルギーは+0.79%と上昇している。個別の大型株ではエヌビディアが+1.63%、アマゾンが+0.80%と好調だった一方で、メタが▲1.13%、イーライリリーが▲0.98%と前日比マイナスで引けている。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。