対先進国に対する緩やかなドル安、石破ショックによる円高が進んだ
ドル円は週末に下落。1ドル=143.93円からスタートすると、指標で下に振らされる局面もあったが、じり高の展開が続いた。水曜日のNY時間に米国8月新築住宅販売件数が事前予想を上振れると、上値を抑えられていた144.25円レベルをクリアに上抜けて上昇。木曜日には日本株の四半期配当の権利付最終売買日であったことや自民党総裁選における高市氏の勝利を睨んで株高・円安が進むと145円台へと突入した。金曜日午後には予定通り自民党総裁選が行われ、高市氏・石破氏による決選投票の行方を見守りながら146.50円まで上昇する場面もあったが、大勢の予想を覆す石破氏勝利の結果となったことで、アベノミクス路線を継続する高市氏の織り込みが剥がれ、急速に円の買い戻しが進行、NY時間にかけて142.06円まで下落したのち、142.19円でクローズ。
ユーロは概ね横ばい。1ユーロ=1.1163ドルからスタートすると、週初に発表されたユーロ圏9月PMIの数値が弱く1.1083まで下落した。その後は特段の追加材料ないなかで次第に買い戻しが優勢で、週初のレベルを回復すると、水曜日のNY時間に今週の高値となる1.1214を記録。このレベルでは一旦は売りが優勢となったものの、1.1140レベルを下値サポートとして徐々に値を切り上げ1.1164まで値を戻して週末を迎えている。
ドル安、人民元高。1ドル=7.0415元からスタートすると、週初は小幅にドル高、人民元安が進み7.0682を記録。その後、火曜日に中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率、リバースレポ金利、および住宅ローン金利の引き下げ、スワップファシリティの設立、住宅ローンに関する規制緩和など広範な景気刺激策を打ち出したことから中国株高、人民元高の展開。木曜日に7.00を割り込むと6.9605を記録。金曜日は自民党総裁選で上下動したものの、7.00で上値が抑えられたのち、6.9812で週末を迎えている。
ややドル売りが優勢(117/196ヵ国)
クロス円は下落している通貨ペアが多い
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週は9月雇用統計をはじめ、米国の重要経済指標の発表を多数控えており、それらの結果に大きく左右されるだろう。
次回FOMCにおける市場の0.50%利下げ織り込み(現状は50%で0.50%利下げを織り込んでいる)を剥がす結果となれば、ドル高へ振れやすくなるだろう。
想定レンジ:141.00~145.50
高市氏有利の見方から一転して石破氏が総裁に選ばれたことで、週末に急速な円高が進んだ。これを過度な調整とみるか、それとも高市氏と石破氏の経済政策のギャップを鑑みれば当然の流れと見るかによって、割安か、割高か見方が分かれるところ。ひとまず米指標に大きな崩れはないという見地に立ち、ドル高、円安方向のレンジ設定とした。
想定レンジ:EUR/USD 1.1050~1.1280
ユーロ圏と米国の金融政策の方向が一致しており、安定した推移の継続を基本線とする。直近の上値の重さや、先週発表されたユーロ圏9月PMIの弱さがやや気になるところ。
想定レンジ:USD/CNH 6.80~7.05
中国の広範な景気刺激策に対して市場は中国株高、長期金利の上昇で反応しており、ドル安、人民元高方向へと推移している。この流れの継続を想定する。
30日
08:50 日本8月鉱工業生産
08:50 日本8月小売業販売額
08:50 日本8月百貨店・スーパー販売額
10:30 中国9月製造業PMI
10:45 中国9月Caixin製造業PMI
10:45 中国9月Caixinサービス部門PMI
14:00 日本8月新設住宅着工戸数
15:00 英国4-6月期GDP(改定値)
15:00 英国4-6月期四半期経常収支
15:00 ドイツ8月輸入物価指数
15:00 英国9月ネーションワイド住宅価格
17:30 英国8月消費者信用残高
17:30 英国8月マネーサプライM4
19:00 日本外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ドイツ9月CPI
22:00 ラガルドECB総裁、発言(欧州議会経済金融委員会(ECON)におけるスピーチ)
22:45 米国9月シカゴ購買部協会景気指数
26:55 パウエルFRB議長、発言(全米ビジネス経済学会(NABE)年次総会において、経済見通しをテーマに)
1日
中国、香港、メキシコ祝日
米大統領選の副大統領候補による討論会
08:30 日本8月失業率
08:30 日本8月有効求人倍率
08:50 日本7-9月期日銀短観
16:50 フランス9月製造業PMI(改定値)
16:55 ドイツ9月製造業PMI(改定値)
17:00 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
17:30 英国9月製造業PMI(改定値)
18:00 ユーロ圏9月HICP
22:45 米国9月製造業PMI(改定値)
23:00 米国9月ISM製造業景況指数
23:00 米国8月建設支出
23:00 米国8月JOLTS求人件数
2日
インド、中国祝日
ポーランド中銀、金融政策決定会合
08:50 日本9月マネタリーベース
14:00 日本9月消費者態度指数
18:00 ユーロ圏8月失業率
20:00 米国MBA住宅ローン申請指数
21:15 米国9月ADP雇用統計
25:00 ロシア4-6月期実質GDP(確報値)
3日
中国、韓国祝日
08:50 日本前週分対外対内証券売買契約等の状況
15:00 トルコ9月CPI
15:30 スイス9月CPI
16:50 フランス9月サービス部門PMI(改定値)
16:55 ドイツ9月サービス部門PMI(改定値)
17:00 ユーロ圏9月サービス部門PMI(改定値)
17:30 英国9月サービス部門PMI(改定値)
18:00 ユーロ圏8月PPI
20:30 米国9月チャレンジャー人員削減数
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
22:45 米国9月サービス部門PMI(改定値)
22:45 米国9月総合PMI(改定値)
23:00 米国9月ISM非製造業景況指数
23:00 米国8月製造業新規受注
4日
中国祝日
15:45 フランス8月鉱工業生産
17:30 英国9月建設業PMI
21:30 米国9月非農業部門雇用者数変化
21:30 米国9月失業率
21:30 米国9月平均時給
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