11日の日経平均株価は続落、前日比▲539.39円、▲1.49%となる35,619.77円で大引け。
日経平均株価は時間外で軟調に推移、前日の終値より129円安い36,030円で寄り付き。寄り付き直後に36,057円を記録したものの、次第に36,000円を割り込むと、同レベルを上値抵抗として軟調に推移し35,872円で前場クローズ。
中川日銀審議委員が秋田市で開いた金融経済懇談会で講演を行い、「今後の金融政策運営は、先行きの経済・物価・金融情勢次第ではあるが、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、先行き日本銀行の経済・物価の見通しが実現していくとすれば、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現の観点から、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と発言したことも為替の円買い、株価の下押し圧力に繋がった。
なお11月の米大統領選に向け、トランプ・ハリス両氏が初のテレビ討論会に臨み、経済、内政、外交など幅広い問題を巡り論戦を繰り広げたが、選挙の実施まで1月半ほどの期間が残されていることもあり、直後の反応は限定的に留まった。
後場に入ると、ドル円が年初来安値を更新したこともあり一段と売りが強まり35,253円まで下落したのち、35,620円で大引け。
当日は幅広い業種に売りが広がったが、特に自動車や小売、食品が大きく売られている。個別の大型株ではファーストリテイリングが▲72.6円、アドバンテストが▲35.6円とそれぞれ下落。
※上記数値は日経平均株価への寄与度
なお日経平均株価CFDは今朝7:00頃に36,549円で取引されており本日の東京株式市場は上窓を開けてオープンしそうな状況となっている。
11日の米国株式市場はエヌビディアなど半導体銘柄が上昇を牽引。
21:30に発表された米国8月CPI(消費者物価)は前年同月比で総合+2.5%、コア+3.2%と事前予想と同レベルに留まったが、前月比でコアが+0.3%と0.1%上昇していたことから米長期金利が上昇、ドル高、初動は米株安で反応した。ただ株価指数への影響は限定的に留まった。
SP500指数は前営業日の終値と同レベルの5,496ドルで寄り付き。NY午前は特段の理由なく売りが優勢で5,407ドルまで下落した。
その後、半導体大手エヌビディアのフアンCEOがサンフランシスコで開催されたゴールドマン・サックス・グループのテクノロジー会議で登壇、ブルームバーグによれば「需給が逼迫する同社製品の奪い合いで一部顧客が不満を募らせており、緊張が高まっている」との認識を示した。製品への旺盛な需要を確認し、同社株が反発へ転じるとSP500指数はNY午後1時ごろにオープンのレベルを回復。その後はひたすら上昇し5,560ドルまで上昇したのち5,558ドルで高値引け。なお同社の株式は+8.15%と非常に大きな上昇を記録している。
セクター別では半導体を中心にITが+3.25%と上昇を牽引。一般消費財が+1.32%、通信サービスが+1.03%と続いた。一方でエネルギーが▲0.93%、生活必需品が▲0.88%と軟調に推移。
個別の大型株ではエヌビディアが+8.15%、ブロードコムが+6.79%と半導体銘柄が好調。その他、アマゾンが+2.77%、イーライリリーが+2.18%、マイクロソフトが+2.13%とそれぞれ大きく上昇している。
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