17日の日経平均株価は大きく下落、前日比▲712.12円、▲1.83%となる38,102.44円で大引け。
植田総裁が日銀会合後の定例記者会見において国債買い入れの減額方法や7月利上げ可能性に言及したこと、また政局変化を嫌気してフランスを中心に欧州株式市場が軟調に推移したことから日経平均株価は時間外で下落、前日の終値より374円安い38,441円で寄り付き。
金融政策の修正観測や、相対的な日本株式市場への期待低下もあるのか、積極的な買いが見られず下値を切り下げる展開で、前場のうちに37,956円まで下落。
後場は38,000円を割り込む時間帯が長く続き、37,950円まで下落したが、時間外でフランスをはじめ欧州株式市場に持ち直しの動きが見られたことで下げ止まり38,102円まで値を戻して引けた。
当日は不調が続く自動車の下落に加えて、製造業が幅広く売られた。また小売りや化学も全体的に売られており、日本を代表する企業が軒並み低調な推移となっている。
個別の大型株では半導体銘柄の東京エレクトロンが▲85.3円、アドバンテストが▲53.4円それぞれ日経平均株価を押し下げたほか、ファーストリテイリングが▲92.2円、信越化学が▲33.0円と売られた。
引け後に植田日銀総裁が衆院決算行政監視委員会で「円安や輸入物価の動向を注視していく必要がある」と述べたが相場への影響は限定的に留まった。
なお日経平均株価CFDは今朝7:00頃に38,445円で取引されており、18日の東京株式市場は上窓をあけてオープンしそうな状況。
17日の米国株式市場は主要株価指数が揃って上昇。
21:30に発表された6月NY連銀製造業景気指数は▲6.0と絶対値としてはやや弱い数値であるが、事前予想を+6.5ポイント上振れ。これを受けて小幅に米長期金利が上昇し、株価に下押し圧力が掛かった。
SP500指数は前日の終値より6ドル安い5,427ドルで寄り付き。序盤に5,420ドルまで下押したが、以降は底堅く上昇。午前のうちに5,440ドル台へと乗せた。
午後に入ると先週の高値で、且つ過去最高値でもある5,448ドルを突破、上昇の勢いが強まり5,489ドルまで上昇したのち、5,473ドルで引けた。
業種別では一般消費財が+1.44%、ITが+1.18%、工業が+1.08%と上昇を牽引。一方で公益事業が▲1.14%、不動産が▲0.70%と振るわなかった。
個別の大型株ではブロードコムが+5.41%と連日の大幅高。その他の半導体銘柄も軒並み好調だった。その他、アップルが+1.97%、マイクロソフトが+1.31%、テスラが+5.3%と大きく上昇しており、大手ハイテク銘柄がSP500指数の時価総額の上昇を牽引している。
なおブルームバーグによれば、米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が「現時点における自身の予想に基づけば年内1回の利下げが適切だ」と述べたもよう。ただし相場への影響は限定的に留まっている。
①米国5月小売売上高。今週の経済指標の中では1、2を争う注目度の高いイベント。米国経済をけん引する個人消費の伸びはどの程度か、注目が集まる。
②過去最高値を更新しつづける米国の主要株価指数。このリスクオンの動きがどこまで続くのか、死角はないのか、特にAI、ハイテク関連の株価に注目したい。
③米国のインフレ動向。ここにきて米国のインフレ鈍化は鮮明になってきており、必然、早期の利下げが意識され始めている。教科書的にはドル安に振れやすく、米国株は上昇しやすいが、実際のマーケットの反応を継続してモニターしておきたい。
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