6日は原油WTI先物が反発、日経平均先物とドル円が下落
東京早朝を156.12円で迎えると、序盤は下押し。足場が緩くズルズルと下落し東京仲値後に155.37円の当日安値を記録。その後に植田日銀総裁が参院財政金融委員会で答弁を実施、「金融政策の正常化を進めていく際には国債買い入れの減額が適当」との認識を示したものの、直後に中村日銀審議委員が札幌市の講演で、「当面は金融政策の現状維持が妥当と考えている」と述べたこともあり円の買戻し材料が少なく、その後は次第に円売りが再開した。
ロンドン時間序盤に156.00円を回復すると、夕方17:30頃には156.38円まで上昇。その後は方向感のない値動きが続き、156.20円でECBとNY指標発表を迎えた。
21:15にECBは3つの主要政策金利それぞれの0.25%の利下げと、パンデミック緊急支援購入プログラム(PEPP)で買入れた資産を7月以降に平均75億ユーロのペースで縮小させていくことを発表。ユーロはbuy the fact で買われたが、ドル円相場への影響は限定的であった。
21:30に発表された米国新規失業保険申請件数は22.9万人とやや弱い数値。また同時刻に発表された米国非農業部門労働生産性は+0.2%、単位労働コストは+4.0%とそれぞれ悪化しており、これが米長期金利低下の流れが続いた主因となった印象であるが、総じて瞬間的な株価や為替への影響は少なく、むしろその後の値動きで当日の高値となる156.44円を記録した。
NY午後はメキシコペソが大幅安で、ドル円は連れ安。ブルームバーグによれば与党幹部が「改革案の可決を目指す」と表明したことがきっかけとした報が入っている。事実としてメキシコペソのボラティリティが高まっていることがあるため、状況の把握に努めたい。
中国5月貿易収支
08:30 日本4月全世帯家計調査
13:30 インド中銀、金融政策決定会合
14:00 日本4月景気先行指数
14:00 日本4月景気一致指数
15:00 ドイツ4月鉱工業生産
18:00 ユーロ圏1-3月期GDP(確定値)
19:30 ロシア中銀、金融政策決定会合
21:00 メキシコ5月CPI
21:30 カナダ5月雇用統計
21:30 米国5月雇用統計
23:00 米国4月卸売売上高
28:00 米国4月消費者信用残高
①米国5月雇用統計。米国の労働市場、今後の景気を占う上で非常に重要な指標であり、今週最大の注目材料と言える。同時刻に発表されるカナダ5月の雇用統計と併せてしっかりウォッチしておきたい。
②メキシコペソの動向。報道が少なく、状況を掴みにくいところではあるが、事実としてボラティリティは高まっている。いつも以上に状況を注視しておいた方が無難だろう。
③先進各国の利下げがどのように市場に影響を与えるか?カナダに続いてユーロ圏も利下げへと転じた。今後も先進国において利下げの流れが続きそうで、これが株式市場の追い風となるか、それともクロス円の売り材料となりリスクオフを誘発するのか?継続してモニターしたい。
上昇を続けるのか、それとも下落相場が始まるのか、あるいはレンジ相場を形成するのか?チャートからは徐々にこれまでのような一方的な上昇は期待しづらくなってきている印象を受ける。
下落のきっかけとしてメキシコペソの下落が挙げられると思うので、ここをしっかりと追っていく必要があるだろう。
他に本日は米国5月雇用統計が予定されており、この結果次第で今後の相場が決定づけられる可能性もあるため要注目。
レジスタンス: 158.00円、160.00円
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