21日の日経平均株価は下落、前日比▲122.75円、▲0.31%となる38,946.93円で大引け。
好調な米国株式市場の流れを引き継ぎ、日経平均株価は前日の終値より162円高い39,232円で寄り付き。オープン直後は買いが強く39,346円まで上昇したが、いわゆる寄り付き天井の動きで、次第に売りが優勢となり39,136円まで値を下げて前場クローズ。
後場は39,167円で寄り付くと、じり安の展開が継続し38,942円まで安値を更新したのち、38,951円で大引け。エヌビディアの決算を明日に控えて利食い売りが入りやすかったことに加えて、香港および深センの株式市場が大幅安となったことも市場のリスクセンチメントに影響を与えた印象。
当日は機械、精密機器、医薬品、化学などが前日比マイナス。特に中国市場で強いダイキンが▲37.9円、テルモが▲20.0円とそれぞれ大きめに日経平均株価を押し下げた。
一方で電気機器は前日比プラス。前日の強いエヌビディア株の推移を受けて、半導体銘柄の東京エレクトロンが+28.4円、アドバンテストが+20.9円、それぞれ上昇。日経平均株価を下支えした。
なお今朝の日経平均株価CFDは38,875円で取引されており、22日の東京株式市場は小幅に下窓を開けてオープンしそうな状況。
21日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇。
21:30に発表されたカナダ4月CPI(消費者物価)は前年同月比で総合が+2.7%、ガソリンを除く数値が+2.5%とそれぞれインフレ鈍化しており、これを受けて米長期金利が低下、ドル安が強まった。
またその後に米国のシンクタンク、ピーターソン・インスティチュートにてウォラーFRB理事がスピーチを行い、直近の経済指標の動向に言及、「追加の利上げはおそらくは不要だろう」と述べたことで一段と米長期金利が低下、ドル安、米国株は初動で下押したものの、次第に上昇へと転じた。
S&P 500指数は前日終値より10ドル安い 5,299ドルで寄り付くと、米長期金利の低下を受けて次第に上昇へと転じ午前のうちに5,316ドル台まで上昇。午後に入っても上昇は続き、5,324ドルまで上昇したのち、5,322ドルでクローズ。
業種別では公益事業が+0.97%と上昇、生活必需品が+0.60%、金融が+0.56%と続いた。またITも+0.31%と好調が続いている。一方でエネルギーが▲0.51%と振るわなかった。
個別の大型株ではテスラが+6.66%、イーライリリーが+2.55%と大きめに上昇している他、マイクロソフトが+0.87%、アップルが+0.69%、本日に決算を控えるエヌビディアが+0.64%とそれぞれ上昇した。なお主要銘柄において極端に大きな下げは見られていない。
①エヌビディアの決算。日本時間の23日早朝5時に発表予定で、市場の注目度は高い。S&P500指数は過去最高値付近に位置しており、さらに上昇するか、それとも一旦は利食い売りが優勢になるか、新値のゾーンだけに前者を期待する参加者も少なくないのではないだろうか。
②FOMC議事要旨。日本時間の明日早朝3時に発表予定で、米国の金融政策を占う上で注目度が高い。当日の値動きとしてはエヌビディアの決算にかき消されてしまうと思うが、それでも今後の相場への影響を考えれば内容を把握しておいた方が良いだろう。
③弱さを見せ始めた米国の景況感。ここまでの流れとして米国の経済指標に弱さが見え始めている。こうした基調が続くか、全体感を捉えるためにも米国4月中古住宅販売件数など米国経済指標に注目しておきたい。
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