19日の日経平均株価は急落、前日比▲1,011.35円、▲2.66%となる37,068.35円で大引け。
前日の米国株式市場でIT銘柄が売られ、米国主要株価指数がやや軟調に推移するなか、当日の東京株式市場のオープンを迎えた。
日経平均株価は前日の終値より356円安い37,724円で寄り付くと、週末でもあり、且つ中東情勢が緊迫化する中で売りが先行、早々に37,500円を割り込む展開となった。
東京仲値(9:55)の後に、イスラエルがイランを攻撃したと伝わった。これをうけて市場は全面的にリスクオフの展開になり、外国為替市場では日本円の買い戻し、株式市場では全面的に売りが強まった。日経平均株価は37,000円丁度を割り込むと、36,733円まで下落するなど寄り付きから約1,000円の下落幅を記録。
その後イランの動きに注目が集まったが、「イスラエルの攻撃の効果は限定的に留まった」とする報道がなされるなど、イラン側に事態をエスカレートさせないような配慮があると判断され、徐々に買戻しが優勢となり、37,068円まで値を戻して引けた。
なお日銀の植田総裁が円安による輸入物価の上昇により「無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得る」と語ったが、市場の注目が中東情勢に集まったことで、大きな影響は見られなかった。
当日の東京株式市場は中東情勢の激化を受けて全面的に売られたが、特に半導体銘柄の下げが目立った。東京エレクトロンが▲315円、アドバンテストが▲66円、レーザーテック▲41円、ソフトバンクグループが▲45円、それぞれ日経平均株価を押し下げた。
なお19日NY時間の日経平均株価CFDは37,108円で取引されており、22日の東京株式市場は週末の終値と同水準でのオープンが想定される。
19日の米国株式市場は半導体銘柄を中心に売りが優勢。
S&P 500指数は東京時間にイスラエルがイランを攻撃したことで大きく下落したものの、その後に持ち直しの動きが見られ前日終値より6ドル安い 5,006ドルで寄り付いた。
ところが、NY時間ではあらためて中東情勢が嫌気される展開になりNY午前に4,990ドル台まで下落。NY午後はエヌビディアなど半導体銘柄が中心に売られ下げ幅を拡大、4,954ドルまで安値を更新したのち、4,967ドルで引けた。
週末でもあり、イスラエルとイランの情勢を見極めたい市場参加者が多く、積極的にリスク資産を持ち越す動きは見られなかった。
業種別ではITが▲3.08%、通信サービスが▲1.99%と大きく売られた。半導体銘柄のエヌビディアが▲10.0%、AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)が▲5.4%、ブロードコムが▲4.3%
と大きく下落したほか、メタが▲4.13%、アマゾンが▲2.56%と大きく下落した。
① イスラエルとイランの情勢に注目。週末はイランの最高指導者ハメネイ師が演説を行ったが、イスラエルへの反撃は示唆されておらず、今のところ事態はエスカレートしていない。4月22日~4月30日はPassoverと呼ばれるユダヤ教の祝日のためイスラエルによる反撃は手控えられるという見方もあるが、状況を注視しておきたいところ。
② 日本・中国・韓国の金融当局の動き。特に東京時間は東アジア各国の中銀の動きを追っていき、それぞれがどのように市場へと介入するか見極める必要があるだろう。日本の財務省がドル売り円買い介入を実施する場合、日経平均株価の下押し材料になる点に留意。
③ 4月の中国最優遇貸出金利(LPR)。市場金利に近い性質のものだが、毎月20日前後に発表され、中国の金利と言うこともあり市場の注目度は低くない。金利低下は株価にプラスに働くため、意識しておきたいイベントとなる。
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