ユーロ安、円安が進行
ドル円は上昇。1ドル=151.57円からスタートすると、昨年、一昨年の高値付近である151.95円が強烈に意識されながらも、じりじりと上値を試す展開が続いた。水曜日に発表された米国3月CPI(消費者物価)において前年同月比で+3.5%、前月比で+0.4%と事前予想比でも実数としても強いインフレ圧力が確認されると米長期金利が4.50%台まで急伸、ドル円は152.00円を突破し153円台まで勢いよく上昇した。その後もNY連銀のウィリアムズ総裁が「近い将来に利下げする必要はない」との考えを示したことなどを要因として米長期金利が上昇する中で、ドル円は153.40円まで上昇。週末はイランがイスラエルに対して攻撃を仕掛けるとの見方が強まり152.60円まで下落する局面も見られたが、根強いドル円の先高観からか153.29円まで買い戻されて引けた。
ユーロは大きく下落。1ユーロ=1.0843ドルからスタートすると、火曜日のNY時間に1.0886まで上昇した。しかし注目を集めた水曜日の米国3月CPIで米国の強いインフレ圧力が確認されるとドル高が進行、ユーロは1.0740まで下落。その後は木曜日にECB理事会が開催され政策金利は据え置かれたものの、声明文において最速で6月の利下げを示唆されたことで1.0700を割り込んだ。週末に掛けては一段と売りが加速し、1.0623まで安値を更新したのち1.0640でクローズ。
小幅にドル高、人民元安が進行。1ドル=7.2485元からスタートすると、週初は人民元の買戻しが優勢で、7.2357を記録。しかし水曜日の米国3月CPIで強いインフレ圧力が確認されたことで米長期金利が上昇、ドル高が進行し7.26台まで連れ高となった。その後も米長期金利が上昇する中でドル買い圧力は掛かり続け7.2690まで上昇したのち、7.2672でクローズ。ドル高、人民元安が進行したものの、他の先進国通貨対比では通貨安の幅が限定的にとどまっている。
ドル買いが優勢(158/196ヵ国)
クロス円は通貨によってまちまち
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
金融政策の差が鮮明で、円安、ユーロ安、相対的なドル高が続きやすい状況と言えるだろう。
ただし中東情勢の軍事的緊張感の高まりによって状況は一変する可能性がある点に留意。
想定レンジ:152.50~155.50
中東情勢が大きく動かなければ、引き続き日本円は売られやすそうだ。
次のターゲットは155円。
当局は今すぐ動いてくる雰囲気はないが、155円ではあらためて為替介入が意識される。
想定レンジ:EUR/USD 1.0650~1.0940
ECBが6月利下げを示唆したこともあり、ユーロ安が続きやすい状況。
米長期金利が4.5%台まで上昇してきておりドル高になりやすい状況でもあるため、ユーロドルの続落を警戒しておくのが無難だろう。
想定レンジ:USD/CNH 7.18~7.37
日本と同様であるが、当局の介入を除いて積極的に買い戻される要因はない。
ただし当局の介入を含む通貨制度の設計上、他の先進国対比で売り圧力が小さいため、強い人民元安方向への動きは期待できないだろう。
15日
08:50 日本2月機械受注
18:00 ユーロ圏2月鉱工業生産
21:30 米国4月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 米国3月小売売上高
23:00 米国4月NAHB住宅市場指数
16日
中独首脳会談
IMF世界経済見通し
11:00 中国3月小売売上高
11:00 中国3月鉱工業生産
11:00 中国1-3月期GDP
15:00 英国3月失業率
18:00 ドイツ4月ZEW景況感調査
17:00 南アフリカ3月CPI
18:00 ユーロ圏4月ZEW景況感調査
21:30 カナダ3月CPI
21:30 米国3月住宅着工件数
21:30 米国3月建設許可件数
22:15 米国3月鉱工業生産
26:00 英国ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言
26:15 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
17日
08:50 日本3月貿易統計
15:00 英国3月CPI
18:00 ユーロ圏3月HICP(改定値)
25:00 ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言
27:00 米国米地区連銀経済報告(ベージュブック)
29:00 米国2月対米証券投資
18日
21:30 米国4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
23:00 米国3月景気先行指標総合指数
23:00 米国3月中古住宅販売件数
19日
08:30 日本3月全国CPI
15:00 英国3月小売売上高
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