日本円が大きく買い戻された
ドル円は下落。1ドル=150.49円からスタートすると、週初は150.65円まで上昇。しかし火曜日のNY時間に入ると足元の米国経済指標の弱さからか米長期金利が低下、発表された米国2月ISM非製造業景況指数が52.6と事前予想を下回ったことでさらにドル売りが強まり150円丁度を割り込んだ。木曜日には日銀の中川審議委員が講演で賃金と物価上昇の好循環について「展望できる」との認識を示したことで円の買い戻しが強まり149円丁度を下回ると、連合(全国労働組合総連合)の2024年春闘における賃上げ要求平均金額が+5.85%と30年ぶりの高水準だったことで金融政策修正に対する期待が一段と高まり円高が進行、148円丁度を割り込んだ。週末は米国2月雇用統計が弱そうだとの思惑からさらにドル売り・円買いが進み、同指標発表直後に146.48円まで下値を更新したが、発表された数値はしっかりしており147.07円まで値を戻してクローズ。
ユーロは上昇。1ユーロ=1.0826ドルからスタートすると、米長期金利の低下もあり底堅い展開が続いた。水曜日に発表された米国2月ADP雇用統計が+140Kと事前予想比でも、絶対値としてもぱっとしない数値で、米長期金利が一段と低下、ドル売り・ユーロ買いが強まり1.09丁度を上抜けた。木曜日にはECB会合が開かれ、期待インフレ予測を引き下げ「2025年に目標の2%達成が可能」との見方を示し、「金融緩和の縮小について議論を始めた」と伝えたことで初動はユーロ売りとなったが、ドルが弱く次第に買い戻されると1.0930台まで上昇。金曜日は米国2月雇用統計発表のタイミングで上下し1.0982まで上値を更新したのち、1.0937でクローズ。
人民元は僅かに買戻しが優勢。1ドル=7.2063元からスタートすると、ドル安の中でも人民元の反応は鈍く水曜日のロンドン時間に7.2176まで小幅にドル高が進行。その後は水曜日の弱い米国2月ADP雇用統計や、木曜日のパウエルFRB議長による上院議会証言で、利下げに着手するために必要な確信は「そう遠くない」将来に得られるとの考えが示されたことでドル売りが一層強まり7.20丁度まで下落。米国2月(政府発表の)雇用統計が発表されたタイミングで7.1847まで下落したのち、7.1998でクローズ。
わずかにドル売りが優勢(102/196ヵ国)
クロス円は大きく下落
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週は米国2月CPIを控えており、且つ1月の数値にインフレ反発の兆しが見られたため、2月のインフレも高い可能性が意識される。また上記で、概ねの米国2月経済指標が出揃うため材料出尽くしとなった際にどのような値動きとなるかが焦点。
ここまで米国の先行き景況感に不安を残す2月の経済指標が出てきている点に留意し、ドル安の継続を警戒しておきたい。
想定レンジ:145.50~149.00
米金利低下、円金利上昇がしばし続く可能性もあるが、今週はスケジュール的に様子見姿勢が強まり、ドル円は小幅に買戻される展開がイメージしやすい。その後は3月の指標次第か。
想定レンジ:EUR/USD 1.0850~1.1050
先週のユーロは日本円ほど強い買戻しが見られなかったためポジションの偏りも少ないとみている。しばし追加材料を探る時間帯になるのではないだろうか。
想定レンジ:USD/CNH 7.12~7.28
7.22レベルで上値が抑えられておりチャート的には下押しそうだが、人民元を積極的に買う材料がないため、様子見姿勢が強まりそうだ。
11日
全人代が閉幕
2月マネーストックM2
08:50 日本10-12月期GDP(改定値)
12日
08:50 日本2月国内企業物価指数
08:50 日本1-3月期四半期法人企業景気予測調査
21:30 米国2月CPI
27:00 米国2月月次財政収支
13日
16:00 英国1月月次GDP
16:00 英国1月鉱工業生産
19:00 ユーロ圏1月鉱工業生産
20:00 米国MBA住宅ローン申請指数
14日
21:30 米国2月PPI
21:30 米国2月小売売上高
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
23:00 米国1月企業在庫
15日
21:30 米国3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 米国2月輸入物価指数
22:15 米国2月鉱工業生産
22:15 米国2月設備稼働率
23:00 米国3月ミシガン大学消費者態度指数
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