日本の金融政策修正期待が高まり、円高、日本株安
7日の東京早朝を149.41円で迎えると、引き続き上値の重い展開で、東京株式市場オープンと共に売りが強まり早々に149円丁度を割り込んだ。
10:30頃に日銀の中川順子審議委員が松江市の講演で2%の物価安定目標の実現に向けて「着実に歩を進めている」と発言したことや、賃金と物価上昇の好循環についても「展望できる」との認識を示したことで一段と円買いが強まり、午後に148.40円まで下落。
ロンドン時間を控えた15:00過ぎに連合(全国労働組合総連合)によるプレスリリースで、2024年の春闘における賃上げ要求平均金額が+5.85%と30年ぶりの高水準と報じたことで金融政策修正に対する期待が一段と高まり円高が進行、ドル円は148円を割り込む展開となった。
ロンドン時間も売りが優勢で、NY時間にかけては147.59円まで安値を更新。
NY時間は買い戻しが優勢で148.30円手前まで反発したが、その後はパウエル議長による上院議会証言で、利下げに着手するために必要な確信は「そう遠くない」将来に得られるとの考えを示したことでドル売りが優勢となり148.03円まで押し下げられてNYクローズ。
全人代開催中
08:30 日本1月全世帯家計調査・消費支出(前年同月比)
08:50 日本1月国際収支
14:00 日本1月景気指数
14:00 日本2月景気ウオッチャー調査
16:00 ドイツ1月鉱工業生産
16:00 ドイツ1月PPI
22:30 米国2月雇用統計
①米国2月雇用統計をチェック。2月の米国の経済指標には悪化の兆しが見られている。雇用統計も大きく悪化するようだと、いよいよ利下げが意識されるため、非常に大きな注目を集める。
②ドル円の下落が継続するか?ドル円は米長期金利の低下に加え、日本の金融政策修正期待から下落基調へと変化している。更なる下落があるか、それとも悪材料出尽くしとなるか、注目度が高く変動率も大きくなっているため、現在の状況を正確に認識しておきたい。
③全人代を意識しておきたい。一般に全人代期間中は株価にネガティブな影響のある発言は行われないと想定されるが、重要なイベントでもあるため意識を向けておく必要がある。
148.90円のサポートをブレイクして続落。
次のサポートが昨日の安値147.60円で、まずはここを試す展開になりやすいだろう。
さらにその下のサポートが146.00円で、この辺りまで試しに行くシナリオも十分ありそうな状況。
ただ追加でどれほどの材料があるか?と考える視点も重要で、特に146.00円を割り込む場合には一旦は買い意欲が強まるのではないかと見ている。
レジスタンス:150.80円
サポート:147.60円、146.00円
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