円安が進行
ドル円は下落。1ドル=150.49円からスタートすると、米長期金利がじり高の展開となり150.85円まで上値を伸ばした。しかし木曜日の午前中に日銀の高田審議委員が2%の物価安定目標について「実現がようやく見通せる状況になってきた」と述べたことをきっかけに円安の調整が始まり150円を割り込んだ。同日のNY時間に発表された米国2月シカゴ購買部協会景気指数など米国経済指標が弱く一時149.21円を記録。その後は月初に向けて買い戻しが優勢で再度150.70円まで上昇したのち、150.10円でクローズ。
ユーロは小幅に上昇。1ユーロ=1.0826ドルからスタートすると、週初はユーロ買いが優勢で1.0866まで上値を伸ばした。しかしさらに上値を追う材料がなく次第に反落すると、水曜日には一時1.0800を割り込んだ。木曜日に発表されたシカゴ購買部協会景気指数などの米国指標が軒並み弱かったことで再び1.0850レベルまで買い戻されたが、その後は1.0800~1.0850のレンジ推移となり、1.0837でクローズ。
人民元は僅かに売り優勢。1ドル=7.2063元からスタートすると、週央にかけてドル買いが優勢で水曜日に今週の高値となる7.2203を記録。その後は冴えない米国経済指標と、それに伴う米長期金利の低下を主因としてドル安の展開で週初とほぼ変わらない7.2087までドル売りが進んでクローズ。
わずかにドル売りが優勢(102/196ヵ国)
クロス円はやや軟調に推移
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週は米国2月雇用統計など重要指標の発表が多く、指標次第の展開を想定している。
現時点で揃った2月の指標からは米国景気の減速を感じられる。そのため今週は軟調な米国経済指標が出やすい点に留意しておきたい。
日米株価指数については過去最高値を更新中であるが、米国景気に減速が見られた時に反落の材料とされる可能性があり警戒しておきたい。
想定レンジ:147.00~151.00
米国景気減速を前提に立てば、円ショートポジションが貯まっていることから、少なくとも調整は入りやすいだろう。
想定レンジとしては147.00円を下限に設定したが、瞬間風速的には146.00円程度までは調整しやすい状況と見ている。
想定レンジ:EUR/USD 1.0650~1.0900
ポジションの偏りを感じないため、ドルなりに動く展開をイメージ。
米国経済指標が弱いという前提に立てば、ややユーロ高・ドル安で見ておくのが無難か。
想定レンジ:USD/CNH 7.12~7.28
中国の個人消費には戻りが見られており、且つ今週は全人代を控えている状況で、人民元が大きく売られる展開はイメージしづらい。
米国経済指標に振らされるだろうが、それが弱いと仮定すれば、ドル安・人民元高の展開をイメージしやすい。
4日
08:50 日本2月マネタリーベース
5日
全人代開幕
08:30 日本2月東京都区部CPI
10:45 中国2月Caixinサービス部門PMI
13:00 植田和男日銀総裁、発言(フィンテックイベント、冒頭あいさつ)
19:00 ユーロ圏1月PPI
24:00 米国1月製造業新規受注
24:00 米国2月ISM非製造業景況指数
6日
19:00 ユーロ圏1月小売売上高
21:00 米国MBA住宅ローン申請指数
22:15 米国2月ADP雇用統計
24:00 米国1月卸売売上高
24:00 米国1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
24:00 パウエルFRB議長、米下院議会証言
28:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
7日
正午頃 中国2月貿易収支
16:00 ドイツ1月製造業新規受注
21:30 米国2月チャレンジャー人員削減数
22:15 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 米国10-12月期四半期非農業部門労働生産性・改定値
22:30 米国前週分新規失業保険申請件数
22:30 米国1月貿易収支
22:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
24:00 パウエルFRB議長、米上院議会証言
29:00 米国1月消費者信用残高
8日
08:30 日本1月全世帯家計調査・消費支出(前年同月比)
08:50 日本1月国際収支
14:00 日本1月景気指数
14:00 日本2月景気ウオッチャー調査
16:00 ドイツ1月鉱工業生産
16:00 ドイツ1月PPI
22:30 米国2月雇用統計
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