26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は148.15円と前営業日NY終値(147.66円)と比べて49銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比2.9%上昇と予想の3.0%を下回ったことが分かると、円買い・ドル売りが先行。一時147.46円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.16%台まで上昇したことで全般ドル買いが入ったほか、12月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことが相場の支援材料となり、4時前に148.21円と日通し高値を更新した。
ユーロドルは小反発。終値は1.0853ドルと前営業日NY終値(1.0846ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ高水準となった。欧州中央銀行(ECB)の早期利下げ観測が強まる中、欧州市場序盤には一時1.0813ドルと昨年12月13日以来の安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善するとユーロ買い・ドル売りが入り、22時30分過ぎに一時1.0885ドルと日通し高値を更新した。市場では「ECBの利下げ織り込みが進み過ぎ」との見方も多く、「行き過ぎた利下げ観測の修正によりユーロに買い戻しが入る余地は大きい」との声も聞かれた。
もっとも、米長期金利が上昇するとユーロドルにも売りが出たため、伸び悩んだ。前日の高値1.0902ドルがレジスタンスとして意識された面もあり、取引終了間際には1.0852ドル付近まで下押しした。
ユーロ円は5営業日ぶりに反発。終値は160.79円と前営業日NY終値(160.15円)と比べて64銭程度のユーロ高水準。仏CAC40やNYダウが史上最高値を更新したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比400円高の3万6080円まで上昇すると、リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となった。1時前に一時160.93円と日通し高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて動きづらい展開が予想される。
ドル円は、昨年11月13日の高値151.91円から12月28日の安値140.25円まで11.66円下落した後、半値戻し(146.08円)や61.8%戻し(147.46円)を上回り148.80円まで上昇した後、伸び悩む展開となっている。
昨年末のドル売り・円買いの背景には、早期の米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ開始と日銀によるマイナス金利解除観測があったが、年初来のドル買い・円売りの背景には、日米金融政策の早期転換観測の後退や新NISA(少額投資非課税制度)による円売り圧力などがあったと思われる。
米商品先物取引委員会(CFTC)の1月9日時点のデータでは、円のネット売り持ちポジションは、55949枚(NY終値:144.48円)となっており、昨年11月14日の130249枚(NY終値:150.37円)から大幅に減少していた。その後の148円台まで上昇局面では、1月23日(NY終値:150.37円)時点で70645枚となっており、円の売り戻しが窺える。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、明日からのFOMCでのFF金利誘導目標5.25-50%の据え置きがほぼ確実視されているが、3月19-20日のFOMCでは、据え置き確率が52%程度、5.00-25%への利下げ開始確率が47%程度になっている。
FOMCでの判断材料となる米国12月のインフレ動向は以下の通りとなっている。
消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%で、11月の同比+3.1%から上昇、コアCPIは同比+3.9%で、11月の同比+4.0%から伸び率が鈍化している。
PCE総合価格指数は同比+2.6%で、11月と変わらず、コアPCEデフレーターは同比+2.9%で、11月の同比+3.2%から低下している。
卸売物価指数(PPI)は同比+1.0%で11月の同比+0.8%から上昇、コアPPIは同比+1.8%で、11月の同比+2.0%から伸び率が鈍化している。
ISM製造業「価格」指数は45.2となり、11月の49.9から低下している。
ISM非製造業「価格」指数は57.4となり、11月の58.3から低下している。
ミシガン大学の12月調査の1年先インフレ期待は3.1%となり、11月調査の4.5%から低下して、2021年3月以来の低水準だった。
ニューヨーク連銀の12月調査の1年先のインフレ期待は3.0%となり、11月調査の3.4%から低下して、2021年1月以来の低水準だった。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○22:10 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
26日08:57 12月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
「何人かの委員は、2024 年の春季労使交渉でしっかりとした賃上げが実現する可能性は高まっているとの見解を示した」
「物価目標の持続的・安定的な実現を十分な確度もって見通せる状況にはなお至っていない」
「YCCのもとで粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていく必要がある」
「マイナス金利やYCC解除後も当面は大幅な金融緩和を継続していく可能性が高い」
26日15:45 カザークス・ラトビア中銀総裁
「インフレは低下しており、今後も低下し続けるだろう」
「労働市場に幾分かの軟化が見られる」
「賃金の伸びは依然として比較的力強い」
「時期尚早な利下げは最悪」
26日18:20 シムカス・リトアニア中銀総裁
「データは3月の利下げを支持していない」
「1月に4月のことを協議するのは建設的ではない」
27日00:55 ブレイナード米国家経済会議(NEC)委員長
「経済は好調でインフレ率は2%に定着しつつある」
※時間は日本時間
<ドル円=1/25安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は25日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 149.75(2023/11/22高値)
レジスタンス1 148.80(1/19高値)
前日終値 148.15
サポート1 147.09(1/25安値)
サポート2 146.44(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。孕み線で反発したものの依然として転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は1.0873ドルの転換線を念頭に置き、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0894(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0853
サポート1 1.0768(日足一目均衡表・雲の下限)
<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。抱き線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 188.92(1/23高値)
前日終値 188.19
サポート1 187.39(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は90.28円の転換線を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.99(1/11高値)
前日終値 90.23
サポート1 89.81(日足一目均衡表・基準線)
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