22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅続落。終値は148.10円と前営業日NY終値(148.12円)と比べて2銭程度のドル安水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.07%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行。23時前に一時147.62円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが進み、148.14円付近まで下げ渋った。米10年債利回りが4.10%台まで低下幅を縮めたことなども相場を下支えした。
なお、市場では「明日の日銀金融政策決定会合の結果公表を前に持ち高を傾けにくく、大きな方向感は出なかった」との声が聞かれた。
ユーロドルは小反落。終値は1.0883ドルと前営業日NY終値(1.0898ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ安水準となった。新規材料に乏しかったうえ、25日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて様子見ムードが強まると、1.08ドル台後半での狭いレンジ取引に終始した。NY時間の安値は1.0880ドル、高値は1.0900ドルで値幅は0.0020ドル程度と小さかった。
ユーロ円は反落。終値は161.19円と前営業日NY終値(161.47円)と比べて28銭程度のユーロ安水準。前週末の安値160.82円を下抜けて23時前に一時160.76円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、161.35円付近まで下げ渋った。ドル円と似た動きとなった。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは軟調だった。対ドルでは一時3万9416ドル前後まで売られ、今月11日に現物に連動する上場投資信託(ETF)11本の取引が開始されて以降、初めて4万ドルを下回った。対円でも一時584万円台まで売られ、昨年12月18日以来約1カ月ぶりの安値を更新した。
本日のドル円は、日本時間正午前後に結果が公表されると思われる日銀政策決定会合次第で、乱高下を繰り返すことなりそうだ。市場のコンセンサスとしては、今回はマイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)の解除は見送りとなっている。よって、市場の注目は、同時に発表される1月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」や植田日銀総裁の会見になる。
経団連が16日発表した2024年春闘の経営側指針では、企業からは賃上げの表明が相次ぎ第一生命ホールディングスは平均7%、キリンホールディングスは約6%の賃上げを目指す意向を示している。また。同第一生命は初任給を27万6000円から32万1000円に引き上げる方針を示すなど、賃金と物価がともに上昇する好循環を支える流れを作ろうとしている。
一方で、先週末19日に発表された12月全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合コア指数、更にエネルギーを除いたコアコア指数ともに市場予想通りだったものの、伸び率は11月よりも鈍化した。今年に入って公表された12月東京都区部のコアCPI、11月家計調査・消費支出、11月毎月勤労統計、実質賃金などは弱い結果になり、更に能登半島地震の影響もあり、早期の政策修正観測が後退している。大手企業と中小企業との間で格差が開き、上述の9日に発表された実質賃金は20カ月連続で減少するなど、国内全般を見るとYCC解除を期待するのは時期尚早との声もある。このような状況下で、日銀審議委員がどのような観点を下すかにより、市場は大きく動意づくことになるだろう。
また、展望レポートは、24年度のコアCPIを前回(23年10月)見通しの2.8%から、2%半ばに下方修正すると市場は予想を立てている。市場の予想と乖離した結果となった場合も、円は動意づくことになるだろう。
なお、通常日銀が政策決定を公表する12時過ぎと、植田日銀総裁の会見(15時半からの予定)の間の14時頃に、19日に発表されたCPIの数値から算出された「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」が公表される予定。この結果次第でその後の植田総裁の会見にも影響を与えることもあり、政策金利発表から会見までの空白時間にも警戒を怠らないようにしておきたい。
ドル円以外の通貨は、先週末に米連邦準備理事会(FRB)はブラックアウト期間に入り、欧州中央銀行(ECB)も25日の会合前7日間はクワイエット期間に入っていることで、大きな値動きを期待するのは難しい。また、明日24日には欧米各国から製造業購買担当者景気指数(PMI)などの注目指標が発表されることで、本日は更に動きにくいか。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表、予想:当座預金金利▲0.10%で据え置き)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○14:00 ◎ 12月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.5%)
○24:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.3)
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲6)
○24日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
23日04:17 ブレイナード米国家経済会議(NEC)委員長
「中国の景気回復の鈍さは米経済に特に大きな影響を与えず」
※時間は日本時間
<ドル円=90日線などの支え背景に戻すことできるか注視>
下影小陰線引け。昨日147.90円台で推移していた5日移動平均線を下抜けた。下支えが期待された18日安値147.66円もわずかに下回る147.62円まで売りが先行している。
ただ、147.40円台で推移する90日線を前にいったん下げ渋った格好。148円台へ戻してNYを引けた。調整地合いが再び強まっても90日線147.46円前後あるいは17日安値147.08円付近など147円台にとどめ、再び上向きの流れへ戻すことができるか注視する局面となる。
レジスタンス1 148.80(1/19高値)
前日終値 148.10
サポート1 147.46(90日移動平均線)
サポート2 147.08(1/17安値)
<ユーロドル=雲上限–転換線が交差する水準へ収れんか>
上影小陰線引け。目先の上値の節目だった18日高値1.0907ドルをわずかに上回る1.0909ドルまで上昇する場面もあった。しかし1.08ドル台へ押し返されるさえない展開。一目均衡表・雲の上限1.0861ドルを割り込む場面もあるか。しかし基本的には一目・雲の上限と転換線に挟まれたレンジ中心の上下が想定しやすく、両水準の交差が予想される1.0890ドル台前後へ収れんして次に動き出す方向を探る流れが予想される。
レジスタンス1 1.0921(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0883
サポート1 1.0845(1/17安値)
<ポンド円=反発鈍く、5日線割れ程度の調整も想定>
下影小陰線引け。19日に気迷いを示す十字線に近い足型を形成した後を受け、昨日は187.77円まで下押しが先行した。19日安値187.41円を割り込まず戻したが反発力は不十分。188.14円前後で推移する5日移動平均線を割り込む程度の調整を視野に入れつつ反発力の強さを確認する局面といえる。
レジスタンス1 188.93(1/19高値)
前日終値 188.23
サポート1 187.77(1/22安値)
<NZドル円=転換線付近が重く、年初の安値圏を意識>
上影陰線引け。90.81円まで上昇が先行したものの一目均衡表・転換線90.44円を下回る水準へ押し返され、90円割れまで下振れた。 転換線が引き続き重しとなりそう。4日安値89.21円や2日安値88.64円など年初の安値圏を意識した展開となっている。
レジスタンス1 90.44(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 90.00
サポート1 89.21(1/4安値)
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