19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅に下落。終値は148.12円と前営業日NY終値(148.16円)と比べて4銭程度のドル安水準だった。日銀の早期政策修正観測が後退する一方、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測は後退しており、円売り・ドル買いが出やすい地合いだった。東京市場では一時148.80円と昨年11月28日以来の高値を付けた。
ただ、NY市場に限れば上値が重い展開に。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で、消費者態度指数(速報値)が予想を上回ると一時148.53円付近まで上げたものの、同時に発表された消費者の期待インフレが予想を下回ったためすぐに失速。12月米中古住宅販売件数が予想より弱い内容となったことも相場の重しとなり、148.03円付近まで下押しした。
一時は4.1957%前後と昨年12月13日以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.11%台まで低下したこともドル売りを誘った。
ユーロドルは反発。終値は1.0898ドルと前営業日NY終値(1.0876ドル)と比べて0.0022ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、23時30分過ぎに一時1.0866ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0847ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米消費者の期待インフレが下振れしたこともユーロ買い・ドル売りを促した。米長期金利が低下に転じたことも相場の支援材料となり、取引終了間際に1.0898ドルと日通し高値を更新した。
米株式市場ではダウ工業株30種平均やS&P500種株価指数が史上最高値を更新。リスク・オンのドル売りも出やすかった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは23時30分過ぎに103.55まで上昇したものの、取引終了間際に103.24まで一転下落した。
ユーロ円も反発。終値は161.47円と前営業日NY終値(161.15円)と比べて32銭程度のユーロ高水準。東京時間に一時161.86円と昨年11月30日以来の高値を付けたものの、欧州時間に入ると一転下落。19時30分前に一時160.82円と日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値160.65円がサポートとして働くと徐々に買い戻しが入り、161.51円付近まで持ち直した。ユーロドルの上昇や米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出た。
本日の東京タイムでは主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、株価・時間外の米長期金利の動向を睨みつつ本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合の結果待ちとなる。日経平均は神経質な動きながらも先週に約34年ぶりの高値を更新するなど堅調な動きになっているが、中国の上海総合指数は先週末に3年8月ぶりの安値を更新するなどさえない動きが続いている。中国株の下落の勢いが増すと市場に不安感を与えリスクオフの動きが強まる可能性がある。
また、米10年債利回りは先週末に前日比で低下して取引を終えたものの、一時4.19%台と昨年12月13日以来の高水準を更新するなど、今年に入って再び上昇に転じており、ドル円の下支えとなっている。米ミシガン大学が先週末に発表した1月の消費者信頼感指数(速報値)が2021年7月以来の高水準となったことを受け、米金利先物市場では米連邦準備理事会(FRB)が5月まで利下げを開始しないとの見方が強まっている。
日銀の早期政策修正観測・FRBによる早期利下げ観測の後退を背景としたドル買い・円売りの流れが続いており、ドル円は底堅い動きが予想されるが、明日の日銀会合の結果と植田日銀総裁の会見を見極めたいこともあり、本日は様子見ムードが強く調整手動の動きにとどまりそうだ。今月末の30-31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて先週末からブラックアウト期間に入ったが、ウォラーFRB理事やボスティックアトランタ連銀総裁などFRB高官から早期利下げ観測をけん制する発言が先週も相次いだ。今週の日銀金融政策決定会合では、現状維持がコンセンサスとなっている。本日のドル円は148円を挟んでの小動きが見込まれるも、日銀の政策イベントを無風で通過すれば心理的節目の150円の大台が視野に入りそうだ。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
<海外>
○17:30 ◎ 12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.4%)
○24:00 ◎ 12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.3%)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
19日11:27 鈴木財務相
「為替はさまざまな要因で決定される」
「為替市場の動向に注視していきたい」
「新NISAだけに為替の変動要因を求めることは困難」
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
「日銀金融政策決定会合に対しては、 政府として前もって期待を申し上げることは控える」
19日17:32 ジョーダン・スイス国立銀行(スイス中銀、SNB)総裁
「インフレ予測は利上げの必要性がないことを示唆している」
19日23:16 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「物価のインフレは正常に戻り、サービスインフレも驚くべき進展を見せている」
「住宅インフレのさらなる進展を見る必要」
「市場は経済データに注目すべき」
「FRBは労働市場からの差し迫った脅威に直面していない」
「インフレの進行が逆転すれば利上げする可能性も」
「インフレに関して良い進展があれば、それを政策金利に反映させなければならない」
20日02:43 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「利下げ前にインフレ率が2%に向かっていることを確認したい」
「インフレとデータが改善すれば利下げ見通しを変更することに前向き」
20日 05:20 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「利下げが近いと考えるのは時期尚早」
「政策金利を調整する自信を得るにはより多くの証拠が必要」
※時間は日本時間
<ドル円=148円台で伸び悩み気味>
小陰線引け。148円台に達してから伸び悩み気味となっている。先週末は昨年11月28日以来の高値148.80円まで上昇する場面もあったが押し返された。
気迷い気味の足型を形成して週の取引を終えている。週明け147.98円前後へ切り上がって推移している5日移動平均線を試す展開も想定して臨みたい。5日線を割り込んだ場合、まずは18日安値147.66円が支えとなるか確かめることになるか。
レジスタンス1 148.80(1/19高値)
前日終値 148.12
サポート1 147.66(1/18安値)
サポート2 147.08(1/17安値)
<ユーロドル=雲上限–転換線レンジで方向うかがう>
陽線引け。1.08ドル半ばで推移している一目均衡表・雲の上限付近で底堅く推移している。先週末もさほど大きな足型ではないが陽線を形成した。ただ、その前日18日に上振れた際につけた高値1.0907ドルを上抜くことはできなかった。強い勢いのある動きではなく、しばらく雲の上限と一目・転換線に挟まれたレンジ中心でもみ合いつつ、次に動き出す方向性を探る時間帯といえそう。
レジスタンス1 1.0921(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0898
サポート1 1.0854(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロ円=162円を前に足踏み>
陽線引け。一時161.86円と、昨年11月30日以来の水準まで上昇した。しかし同29日以来の162円台回復を目前に足踏みしている感がある。目先のすう勢を示す5日移動平均線を割り込む調整も想定して臨みたい。同線は本日161.08円前後で推移。上昇が予想される一目・転換線159.82円が切り上がって下支えになれば地合いはより底堅くなってくるとみる。
レジスタンス1 161.95(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 161.47
サポート1 160.65(1/18安値)
<豪ドル円=5日線の上昇ともない高値うかがう展開想定>
陽線引け。97円台でじり高となっている。一時97.80円と、11日に伸び悩んだ際につけた高値に並ぶ水準まで上昇した。頭打ちとなり同水準が強いレジスタンスになるリスクもあるが、5日線の上昇をともなう上向きの流れが続くとみる。現行のレンジを上放れれば、昨年11月24日高値98.54円や同年高値98.62円といった水準も視野に入ってくる。
レジスタンス1 98.07(2023/12/1高値)
前日終値 97.72
サポート1 97.37(5日移動平均線)
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