17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は148.16円と前営業日NY終値(147.19円)と比べて97銭程度のドル高水準となった。米商務省が発表した12月米小売売上高が前月比0.6%増と予想の0.4%増を上回り、自動車を除いたベースでも前月比0.4%増と予想の0.2%増より強い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が早い時期に利下げに転じるとの見方が後退。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となった。12月米鉱工業生産や1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、1時前に一時148.52円と昨年11月28日以来の高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1268%前後と昨年12月13日以来約1カ月ぶりの高水準を記録した。
なお、金利スワップ市場では3月までにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25%引き下げられる確率が約50%に低下した。
ユーロドルは小反発。終値は1.0883ドルと前営業日NY終値(1.0875ドル)と比べて0.0008ドル程度のユーロ高水準だった。予想を上回る米経済指標を受けて米金利の上昇とともにドル高が進むと、1時前に一時1.0845ドルと昨年12月13日以来の安値を付けた。ただ、欧州中央銀行(ECB)高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次ぐ中、一本調子で下落する展開にはならなかった。NY終盤には1.0883ドル付近まで持ち直している。
ユーロ円は3日続伸。終値は161.24円と前営業日NY終値(160.06円)と比べて1円18銭程度のユーロ高水準。日銀の早期政策修正観測が後退する一方、ECBによる早期利下げの観測が後退しており、円売り・ユーロ買いが出やすい地合いとなり、一時161.30円と昨年12月1日以来の高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始観測の後退を受けて堅調推移が予想される。
3月19-20日のFOMCでFF金利誘導目標が0.25%引き下げられる確率が低下しており、ドル円の買い戻しに繋がっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、3月FOMCでの利下げ確率は55%程度となっており、1月15日時点での75%台から20%程度低下している。また、金利スワップ市場では、1-3月(第1四半期)にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジが0.25%引き下げられる確率が約50%に低下している。
米商品先物取引委員会(CFTC)の1月9日時点のデータでは、投機筋の円のネット売り持ちポジションは、55949枚(NY終値:144.48円)となっており、昨年11月14日の130249枚(NY終値:150.37円)から大幅に減少していた。
ドル円が、1月2日の安値140.82円から昨日の高値148.52円まで買い戻されている背景には、3月FOMCでの利下げ開始観測の後退、そして、日銀の早期のマイナス金利解除観測の後退が挙げられる。
22-23日に開催される日銀金融政策決定会合では、最近発表された賃金や物価指標の低迷により、「賃金・物価の好循環実現」の確度が不透明となっていることで、マイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)の解除は見送られることが見込まれている。市場のコンセンサスは、3月の春闘の集中回答を踏まえた4月25-26日の日銀金融政策決定会合でマイナス金利が解除される見込みとなっている。そして、「経済・物価の情勢」(展望リポート)では、昨年10月時点に比べて原油価格が大幅に下落していることから、2024年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の上昇率見込みを10月時点の2.8%から2%台半ばに下方修正する可能性が警戒されている。
9時30分に発表される12月豪雇用統計の予想は失業率が3.9%で、11月と変わらず、新規雇用者数は1.76万人の増加で、2カ月連続で予想を上回った10月の+4.27万人や11月の+6.15万人からは増加幅の減少が見込まれている。
2月5-6日に開催される豪準備銀行(RBA)理事会に向けて、31日に発表される昨年12月や10-12月期の消費者物価指数(CPI)を見極める展開となっており、雇用統計が予想から大幅に外れない限り、豪ドル相場への影響は限定的だと思われる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 11月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.8%/前年比0.2%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
<海外>
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:▲34)
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(予想:失業率3.9%/新規雇用者数1.76万人)
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月14日分)
○21:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数(予想:142.5万件、前月比▲8.7%)
◎ 建設許可件数(予想:147.6万件、前月比0.6%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.7万件/184.5万人)
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲7.0)
○19日00:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、パネルディスカッションに参加
○19日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
17日16:16 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「市場についてはコメントしない」
「インフレはECBが望む水準にない」
「過度に楽観的な市場はECBのインフレとの闘いを支援しない」
「夏までに利下げする可能性」
17日16:44 クノット・オランダ中銀総裁
「市場が緩和的になればなるほど、利下げの可能性は低くなる」
「上半期の利上げはそうそうないだろう」
「賃金の回復を見届ける必要がある」
17日18:49 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「2024年のいつ利下げをするかを言及するのは時期尚早」
18日04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「全体として、米経済活動は前回の報告書以降ほぼ変わらず、もしくは全く変化がなかった」
「差があった4地区のうち、3地区は緩やかな成長を報告し、1地区は緩やかな減少を報告」
「ほぼすべての地区で、製造活動が減少」
「6地区では僅かな、もしくは緩やかな価格上昇が報告され、2地区では穏やかな価格上昇が報告された」
「3地区の企業は、価格上昇が今後1年間でさらに緩和されると予想。また、4地区の企業はほとんど変化がないと予想」
「7地区では全体的な雇用水準にほぼ変化がない、または全くないと報告。一方、4地区では雇用の増加ペースが緩やかから穏やかになったと報告」
「2地区は引き続き労働市場の逼迫を指摘。ボストン地区とサンフランシスコ地区ではそれぞれ自動車整備士や経験豊富なエンジニアなど、専門スキルを求める企業の雇用が課題であると報告」
「ほぼ全ての地区が、応募者数の増加や離職率の低下、企業による採用の厳選、賃金圧力の緩和など、労働市場の冷え込みの兆候を1つ以上挙げた」
「ボストン、リッチモンド、シカゴ、ダラスの賃金上昇ペースは緩やか」
「多くの地区の企業は賃金圧力が緩和され、来年の賃金の伸び率はさらに低下すると予想」
18日04:20 ナーゲル独連銀総裁
「ECBはインフレに関して多くの成果を上げている」
※時間は日本時間
<ドル円=1/17安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。3手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。上値目処の1つとしては151.91円~140.25円の76.4%戻しの149.16円。
本日は17日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 149.75(2023/11/22高値)
レジスタンス1 148.83(2023/11/28高値)
前日終値 148.16
サポート1 147.08(1/17安値)
サポート2 146.44(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=1.09ドル前半で下向きの転換線が抵抗水準>
陽線引け。転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで買いシグナルが優勢な展開。4手連続陰線の後に孕み線で反発した。しかしながら依然として転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は1.0921ドルまで水準を下げた転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。下サイドでは、200日移動平均線1.0847ドルや一目・雲の上限1.0852ドルが意識される。
レジスタンス1 1.0921(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0883
サポート1 1.0734(日足一目均衡表・雲の下限)
<ポンド円=1/16高値を支持に押し目買いスタンス>
大陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。3手連続陽線で転換線を大きく上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は16日の高値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 188.66(2023/11/24高値)
前日終値 187.81
サポート1 186.19(1/16高値)
<NZドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。16日の寄引同事線、17日の抱き線で切り返して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は90.34円の転換線を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 91.52(2023/12/1高値)
前日終値 90.59
サポート1 89.38(日足一目均衡表・基準線)
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