【前日の振り返り】
10日の香港株式市場で、ハンセン指数は7営業日続落。終値は前日比0.57%安の16097.28ポイントだった。中国企業指数は0.52%安の5421.23ポイント。メインボードの売買代金は概算で745億1000万HKドルだった。
ハンセン指数は安く始まった。序盤に上げに転じる場面があったが、再びマイナス圏に沈んで下げ幅を拡大。終盤に下落率がやや縮小したものの、終値は1年2カ月ぶりの安値を連日で更新した。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る市場の見方が揺れ動くなか、米12月消費者物価指数(CPI)の発表を香港時間11日夜に控え、持ち高を整理する売りが出たもよう。世界銀行が9日、世界経済の成長率が減速する見通しを公表したことも地合いを悪化させた。2024年は2.4%と23年の2.6%から減速し、3年連続で前年を下回る。中国の24年の成長率は4.5%と、6月の従来見通しと比べ0.1ポイント減速する見通し。
【きょうの見通し】
11日の香港市場は買い先行で始まるか。前日のNY市場は主要3指数がそろって上昇。また、ハンセン指数は前日まで7営業日続落し、終値で2022年11月10日以来1年2カ月ぶりの安値を連日で更新した後とあって、値ごろ感の出た銘柄を中心に買い戻す動きも入りそうだ。
ただ、米国では11日にCPI、12日に生産者物価指数(PPI)がそれぞれ発表されるほか、中国では12日に貿易統計や物価統計の発表が控えており、様子見ムードが広がれば、相場の重しとなりそうだ。
【前日の振り返り】
10日の中国本土株式市場で、上海総合指数は反落。終値は前日比0.54%安の2877.70ポイントだった。深セン成分指数は0.55%安の8922.79ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6470億1900万元だった。
上海総合指数は安く寄り付いた後、総じて軟調に推移した。前場は売り一巡後にプラス圏へ浮上し、心理的節目の2900ポイントに乗せる場面もあったが、勢いは続かなかった。節目付近の売り圧力が意識されると再びマイナス圏に沈み、もみ合いながら下げ幅を拡大した。終値ベースで2020年5月29日以来、約3年7カ月ぶりの安値を更新した。前週末に中国民営資産運用会社大手の破産申請を北京市の裁判所が受理したことを受け、金融システムに対する警戒感が引き続き投資家心理を圧迫した。週後半に米12月消費者物価指数(CPI)や、中国の物価統計、貿易統計などの発表を控え、様子見気分も漂い、売買代金は低水準にとどまった。
A株市場では、豚肉関連の牧原食品(002714)、保険大手の中国太平洋保険(601601)、中国人寿保険(601628)、ゲーム関連の奥飛娯楽(002292)の下げが目立った。曙光信息産業(603019)、歌爾(002241)、海能達通信(002583)などテクノロジー株の一角も売られた。半面、バスメーカーの鄭州宇通客車(600066)、油圧シリンダーメーカー大手の江蘇恒立液圧(601100)、自動車電子部品メーカーの恵州市徳賽西威汽車電子(002920)が高い。8日に2023年12月本決算の増益速報を発表した中国旅遊集団中免(601888)と自社株買い計画を発表した海信家電集団(000921)が続伸した。
上海B株指数は0.12%高の224.6ポイント、深センB株指数は1.4%安の1040.39ポイント。
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