【前日の振り返り】
9日の香港株式市場で、ハンセン指数は6営業日続落。終値は前日比0.21%安の16190.02ポイントだった。中国企業指数は0.57%安の5449.76ポイント。メインボードの売買代金は概算で819億HKドルだった。
ハンセン指数は米株高や米長期金利の低下を好感して反発スタート。前日まで5営業日続落した後とあって、買い戻しが先行した。前場半ばは上げ幅を1%超に拡大する場面もあったが、勢いは続かなかった。中国経済の先行き不安が根強いなか、次第に上げ幅を縮小。終盤は前日終値付近でもみ合ったが、結局、この日の安値で引けた。終値ベースで2022年11月10日以来、1年2カ月ぶりの安値を更新した。
【きょうの見通し】
10日の香港市場は軟調な展開か。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期を巡る市場の見方が揺れ動くなか、米12月消費者物価指数(CPI)の発表を香港時間あす夜に控え、様子見気分が広がると予想する。米CPIがインフレの減速傾向を示すかが焦点になる。
もっとも、下値を売り込む動きは限られるだろう。前日のハンセン指数は終値ベースで2022年11月10日以来およそ1年2カ月ぶりの安値を更新しただけに、自律反発を見込む買いが入りやすい。また、9日のNY債券市場で米長期金利の指標となる10年物米国債利回りが前日比0.02%低い4.01%で終えた。依然として4%台にあるものの、上昇一服は投資家心理の支えとなりそうだ。
【前日の振り返り】
9日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4営業日ぶりに反発。終値は前日比0.20%高の2893.25ポイントだった。深セン成分指数は0.27%高の8971.72ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6742億6500万元だった。
上海総合指数は方向感を欠く値動きとなった。中国民営資産運用会社大手、中植企業集団の破産申請を北京市の裁判所が受理したことを受け、金融システムに対する警戒感が強まったが、前日の米株高が好感されたほか、指数は前日まで3営業日続落し、終値で2022年4月26日以来、約1年8カ月ぶりの安値を付けた後とあって、買い戻す動きが広がった。ただ、心理的節目の2900ポイント付近では、上値の重さが目立った。
セクター別では、観光・ホテルや航空・空港運営が全面高となったほか、小売り、鉄道・道路なども買われた。半面、ソフトウエア開発や証券、インターネットサービスなどが売られた。
A株市場では、全国商務工作会議で消費の持続的な拡大や市場・流通体系の整備などが強調されたことを受け、寧波太平鳥時尚服飾(603877)や王府井集団(600859)が買われた。2023年12月本決算速報値で34%増益となった中国旅遊集団中免(601888)や自社株買い計画を発表した海信家電集団(000921)も大幅高。半面、中国聯合網絡通信(600050)や用友網絡科技(600588)などが売られた。
上海B株指数は2.74%安の224.33ポイント、深センB株指数は0.37%安の1055.15ポイント。
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