【前日の振り返り】
4日の香港株式市場で、ハンセン指数は小幅に3日続落。終値は前日比0.43ポイント安の16645.98ポイントだった。中国企業指数は0.36%高の5649.23ポイント。メインボードの売買代金は概算で703億9000万HKドル。
ハンセン指数は前日の米国市場とこの日の中国本土市場の下落を嫌気し、ほぼマイナス圏で軟調に推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受けて利下げ開始時期の不透明が強まり、香港市場でも売りが広がった。中国の政策期待を受けて終盤にプラス圏に浮上する場面もあったが、5日の米雇用統計や8日の中国貿易統計の発表を前に様子見ムードも強く、相場の重しとなった。
【きょうの見通し】
5日の香港市場は軟調な相場か。4日のNY市場で米長期金利が上昇し、米ハイテク株が売られた流れを引き継ぎそうだ。米雇用関連指標が労働市場の底堅さを示したことで、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測がやや後退した。もっとも、前日に続いてハンセン指数が20日移動平均線(4日大引け時点で16548.84ポイント)を割り込むと下げ渋る展開があり得る。FRBの景気判断の上で重視する23年12月の米雇用統計の発表をあすに控え、内容を見極めたい投資家が積極的な売買を見送ると予想する。
4日発表の米12月ADP民間部門雇用者数は16.4万人増と予想の11.5万人増を上回り、新規失業保険申請件数は20.2万件と予想の21.6万件を下回る強い結果となった。これを受け、長期金利の指標となる米10年債利回りは前日の3.907%から4.002%に上昇した。
【前日の振り返り】
4日の中国本土株式市場で、上海総合指数は反落。終値は前日比0.43%安の2954.35ポイントだった。深セン成分指数は1.24%安の9215.25ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で6734億3100万元だった。
上海総合指数は小安く寄り付くと、前引けにかけて下げ幅を拡大した。米早期利下げ期待の後退を受け、リスクを回避する動きが優勢。もっとも、2940ポイント付近で下げ渋ると、終盤はやや戻した。米雇用統計の発表を5日に控えているほか、来週初めに中国の貿易統計や物価統計が発表されることから、様子見気分も漂い、売買代金は低水準にとどまった。
セクター別では、バッテリー素材が全面安。電子化学品、風力発電設備、酒造、航空・空港運営も安い。半面、鉄道・道路、繊維・アパレル、観光・ホテルなどが買われた。
A株市場では、生保大手の中国人寿保険(601628)、医薬品製造・販売会社の華東医薬(000963)、調味料メーカーの仏山市海天調味食品(603288)、酒造株の江蘇洋河酒廠(002304)、瀘州老窖(000568)の下げが目立った。テクノロジー株の科大訊飛(002230)は続落。半面、4大国有商業銀行の中国銀行(601988)、資源株のペトロチャイナ(601857)、中国神華能源(601088)、家電メーカーの海信家電集団(000921)などが買いを集めた。
上海B株指数は0.18%安の233.77ポイント、深センB株指数は0.78%安の1066.86ポイントだった。
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