4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は144.63円と前営業日NY終値(143.29円)と比べて1円34銭程度のドル高水準だった。12月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。日銀の早期政策修正観測が後退する中、全般円売りも継続し、24時前に一時144.85円と日通し高値を更新した。市場では「能登半島地震を受けて、日銀が1月にマイナス金利解除に動く可能性が一段と後退している」との声が聞かれた。
ユーロドルは5営業日ぶりに反発。終値は1.0945ドルと前営業日NY終値(1.0922ドル)と比べて0.0023ドル程度のユーロ高水準だった。独・ユーロ圏の12月サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことを受けて、欧州時間に一時1.0972ドルと日通し高値を付けた影響が残った。
ただ、NY市場に限れば伸び悩む展開となった。良好な米雇用関連指標が相次いだことで米長期金利が上昇すると、ユーロ売り・ドル買いがじわりと強まった。22時30分過ぎには一時1.0933ドル付近まで下押しする場面もあった。
ユーロ円は続伸。終値は158.30円と前営業日NY終値(156.50円)と比べて1円80銭程度のユーロ高水準。独・ユーロ圏の経済指標が予想を上回ったことで円売り・ユーロ買いが進行。日銀の早期政策修正観測が後退する中、円を売る動きも継続し、24時過ぎに一時158.59円と日通し高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
植田日銀総裁は、昨日の全国銀行協会の新年の集いでの挨拶で、能登半島地震について言及し、「金融機能の維持および、資金決済の円滑を確保するため、銀行界と協力して、万全の措置を講じていく」と述べた。
市場では、能登半島地震による生産活動の落ち込みや政府による復旧対策の補正予算編成などで、1月22-23日の日銀金融政策決定会合での早期マイナス金利解除が困難となり、3-4月会合でも金融政策正常化のハードルが高くなったとの見方が強まりつつある。
金利スワップ市場での利上げ確率は、1月22-23日の日銀金融政策決定会合では10%を割り込み、3月18-19日会合までは20%台へ低下している。
今夜発表される米12月雇用統計の予想は、失業率が3.8%と11月の3.7%から上昇、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人と11月の同比+19.9万人からの増加幅の減少が見込まれている。
昨年12月12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、今後の政策決定はデータに依存すると言及されていた。今夜発表される米12月雇用統計が予想通りに雇用情勢の悪化を示した場合、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率が高まることで、ドルの上値を抑える要因となる。
一方、予想に反して、堅調な雇用情勢が示された場合は、12月のFOMC議事要旨での「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致」というタカ派的な見解がドルを下支えする要因となる。
12月FOMC議事要旨では、ハト派的な解釈として、物価上昇率に関して政策立案者が「容認できないほど高い」との表現が使われなかったこと、インフレ「上振れリスク」が減退したという見解を確認し、「過度に制約的な」金融政策が経済に与える影響への懸念が示された。
タカ派的な解釈としては、利下げの開始時期が明らかにされなかったこと、経済の見通しに関して非常に高い水準の不確実性が指摘され、さらなる利上げの可能性も依然としてあり得ることが示された。そして、「インフレ率が委員会の目標に向けて持続的に低下することが明らかになるまで、しばらくは政策を制約的なスタンスにとどめることが適切だ」と強調されていた。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.5)
<海外>
○16:00 ◎ 11月独小売売上高(予想:前月比▲0.1%/前年比▲0.5%)
○18:30 ◎ 12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.0)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比3.0%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比3.5%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比▲8.7%)
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.35万人/失業率5.9%)
○22:30 ☆ 12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.0万人/失業率3.8%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.9%)
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:52.6)
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注(予想:前月比2.1%)
○6日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支(予想:78.00億ドルの黒字)
○6日03:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○ロシア(新年休暇)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
4日11:23 植田和男日銀総裁
「賃金・物価がバランスよく上昇することを期待」
「地震を受け、金融上の措置講じるように金融機関に要請」
※時間は日本時間
<ドル円=200日移動平均線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、3手連続陽線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、200日移動平均線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 146.59(2023/12/11高値)
レジスタンス1 145.99(2023/12/13高値)
前日終値 144.63
サポート1 143.30(200日移動平均線)
サポート2 141.86(1/3安値)
<ユーロドル=横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯した。しかし、4手連続陰線の後抱き線で反発したものの転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は、横ばいの転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1016(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0945
サポート1 1.0845(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロ円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 159.38(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 158.30
サポート1 157.59(日足一目均衡表・基準線)
<豪ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、転換線を上回って引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。2日の寄引同事線の後、2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、雲の上限97.06円を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 97.60(2023/12/27高値)
前日終値 97.00
サポート1 95.92(日足一目均衡表・基準線)
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