3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は143.29円と前営業日NY終値(141.99円)と比べて1円30銭程度のドル高水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁が「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」と話し、市場の早期利下げ観測をけん制するとドル買いが加速した。200日移動平均線が位置する143.18円を上抜けて一時143.73円まで上値を伸ばした。12月米ISM製造業景況指数が47.4と予想の47.1をやや上回ったことも相場の支援材料。
1日に石川県能登半島で地震が発生して以降、「日銀が早期に政策を変更することは困難」との見方が広がっていることも円売りを誘った。
なお、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が879.0万件と予想の885.0万件を下回ったことを受けて、一時142.82円付近まで伸び悩む場面もあった。
ユーロドルは4日続落。終値は1.0922ドルと前営業日NY終値(1.0942ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した昨年12月12-13日分のFOMC議事要旨で「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致」「金利は想定より長くピーク水準で維持される可能性がある」との見解が示されると、一時1.0893ドルと日通し安値を付けた。
ただ、米10年債利回りが低下に転じると買い戻しが優勢に。4時30分過ぎには1.0926ドル付近まで下げ渋った。
ユーロ円は4営業日ぶりに反発。終値は156.50円と前営業日NY終値(155.37円)と比べて1円13銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが優勢になると、一時156.79円と本日高値を付けた。能登半島地震を受けて日銀の政策修正観測が後退する中、円売りが出やすい面もあった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の金融政策への思惑から底堅い展開が予想される中、1日に発生した令和6年能登半島地震を受けた東京株式市場の動向や日銀関係筋からのマイナス金利解除に関する発言を見極めることになる。
今年3-4月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除が予想されていたが、能登半島地震により早期の解除は困難になったのではないかとの見方が強まりつつあり、円売り要因となっている。
また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率がやや低下したことがドル買い要因となっている。
昨年12月12-13日分のFOMC議事要旨では「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致。金利は想定より長くピーク水準で維持される可能性がある」とのややタカ派な見解が示されたことで、米10年債利回りは一時4%台を回復した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、3月のFOMCでの0.25%の利下げ確率は65%程度まで低下し、据え置き確率は29%程度まで上昇している。
ドル円は、日本勢が不在の2日のシドニー市場で、能登半島地震を受けた思惑的な円の買い仕掛けで140.82円まで下落後、日銀の早期マイナス金利の解除が困難になったのではないかとの思惑から円売りが優勢となり、昨日は200日移動平均線が位置する143円台まで戻している。
日本での大震災に対する円相場は、1995年1月の阪神淡路大震災と2011年3月の東日本大震災の後は、リスク回避の円高となっている。
円高の要因としては、復興資金や保険金の手当てのための海外資産の売却・円買いという「レパトリエーション」や海外投機筋によるリスク回避としての「円・キャリートレード」の手仕舞いが挙げられる。
しかしながら、2日と3日のドル円の底堅さの背景としては、生産活動の落ち込みや政府による復旧対策の補正予算編成などで、1月22-23日の日銀金融政策決定会合での早期マイナス金利解除が困難となり、3-4月時点でも金融政策正常化のハードルが高くなったとの見方が強まりつつあることが指摘されている。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○東京証券取引所などが大発会
<海外>
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.6)
○16:45 ◇ 12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値(予想:44.3)
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値(予想:48.4)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:48.1)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値(予想:52.7)
○18:30 ◇ 11月英消費者信用残高(予想:14億ポンド)
○18:30 ◇ 11月英マネーサプライM4
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:00 ◎ 12月独CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比3.7%)
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告(予想:11.5万人)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/188.3万人)
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値(予想:51.3)
○23:45 ◎ 12月米総合PMI改定値
○5日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○ロシア(新年休暇)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
3日22:31 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」
「金利の推移よりも、インフレが引き続き低下し経済が好調を維持するかどうかに重点を置く」
「経済が健全な一方、インフレに関しては実質的な進歩を遂げている」
4日04:01 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月12-13日分)
「当局者はさらなる利上げが適切になる可能性があると指摘」
「当局者はインフレの上振れリスクがあると認識」
「当局者は政策金利がピークかそれに近い可能性が高いと認識」
「当局者はバランスシートの縮小がこれまでのところ順調に進んでいると認識」
「当局者はGDP成長率が鈍化し、労働市場のリバランスが2024年も継続すると認識」
「当局者は金利が想定より長くピーク水準で維持される可能性を認識」
「当局者らは政策がしばらくの間、制限的なスタンスを維持することが適切であると再確認」
「当局者全員が2%のインフレ目標に向けて2023年に明らかな進展が見られたと指摘」
「当局者は慎重でデータに依存したアプローチを維持する重要性を強調」
「当局者は2024年末までの利下げ予測を認識」
※時間は日本時間
<ドル円=3日の安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、2手連続陽線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、200日移動平均線143.24円を念頭に置き、3日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 144.96(2023/12/19高値)
レジスタンス1 144.38(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 143.29
サポート1 141.86(1/3安値)
サポート2 140.82(1/2安値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回っているものの、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。しかし、4手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1016(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0922
サポート1 1.0851(日足一目均衡表・雲の上限)
<ポンド円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
大陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けているため三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。しかし、抱き線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 182.96(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 181.48
サポート1 180.47(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=昨年12/27高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。抱き線で反発したものの転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は、昨年12月27日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.42(2023/12/27高値)
前日終値 89.47
サポート1 88.72(1/3安値)
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